酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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| 2006年07月28日(金) |
『ミカエルの騎士3 琥珀の夢』 前田栄 |
村はずれの幽霊屋敷を買い取った男を招待すべく、アーサーは園遊会を開くことになる。新しくやって来た金持ちの隣人に村人たちは興味深々で猫っかぶりのアーサーは妹・メアリや御婦人方の言うがままなすがまま(笑)。招待するために幽霊屋敷に赴いたアーサーとメアリだったが、主人のディクスターはメアリに好奇の目を向ける始末。器はアーサーの妹だが、中身は美しい魂蒐集が趣味の大天使であるメアリはディクスターのおぞましい魂を嫌悪する。メアリを手に入れたいディクスターはアーサーから陥落しようとトンデモナイ手段に出て・・・!?
この「琥珀の夢」では、メアリが人間の器に四苦八苦している様を読み取る事ができます。この物語では天使は身勝手な存在と言う解釈。好奇心は旺盛だが人間に対して興味はなく、変わり者エンジェルであるメアリにしても欲しいものは美しい魂のカタチであり、人間には興味がない!・・・ハズだったのだが。ウフフ。「呪われた藍玉の薔薇」では琥珀事件で体調を崩したアーサーがラベル侯爵に招かれて療養に赴いた先でのできごと。美しい未亡人と出会ったアーサーは呪われた薔薇の伝説に触れる。マーティンは暗躍しつつ、美しく薔薇を咲かせてみせましょうと言うエリックと契約をする。「あのひと」のために美しい薔薇を咲かせたくて・・・。「クリスマス・キャロル」は大掃除にミサにイベントに大騒動でマジ切れ寸前のアーサーが捨て子を見つけてしまい、ますます大騒動に。その赤ちゃんの正体とは・・・!? ミカエルの騎士シリーズはアーサーが主役だと思っていたのですが、すっかりわがままなサブキャラとなり果てていて(笑)悪魔のマーティンと天使のメアリが主役争いをしている感じになっちゃいました。本気で信じたことを具現化し、信仰ゆえ天使さえ呼び出す事ができる力を持つミカエルの騎士であるアーサー。その存在がやっかいゆえに付き纏う悪魔・マーティンと、その存在を守り、いつかは美しい魂を手に入れんとしている天使・メアリ。この悪魔と天使の攻防戦が物語の軸となっていてます。悪魔も天使も人間そのものには興味がないはずなのに・・・というくだりが最大のテーマなのかしら。
『ミカエルの騎士3 琥珀の夢』 1998.1.10. 前田栄 新書館
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