酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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| 2006年07月29日(土) |
『ミカエルの騎士4 緑玉杯の騎士』 前田栄 |
どんよりとした曇り空の下、途方にくれている神父がやってきた。アーサーは英国国教会信者で神父はカトリック。同じキリスト教の聖職者でも、宗派が違えば相容れない。しかし、そこは心優しい猫っかぶり(笑)のアーサーのこと、フィリップ・マルゴー神父に宿をかす。科学の話に花が咲き、意気投合をする二人だったが、実はフィリップは密命を帯びてアーサーのもとへやって来たのだった・・・!?
キリスト教に詳しくないのでありますが(大学がミッション系だったと言うのに)宗教による争いが現代でも後を絶たないことを見ると、根深いものがあるようです。「緑玉杯の騎士」では、キリスト教の聖地バチカンから密命を帯びてフィリポ(十二使徒のひとり)が登場します。ミカエルの騎士はバチカンの最高機密だった訳ですね。なのでアーサーは盟主としてバチカンから狙われる事と相成りました〜。「黄玉の盾」ではウリエルの騎士アンデレが登場。傷ついて歪みながら美しい魂を持った不思議な男。アンデレの歪ながら美しい魂は大事な友・シヒルを裏切りった後悔が創り上げていた・・・。「水面に映る白き花影」はアンデレとシヒルの物語。物語には枝葉があって、それをキチンと語っていただけるところに好感を持っています。ひとつの物語に登場する人物だけの枝になる物語がある。それを語ることが出来ずにいる物語のなんと多いことか。ミカエルの騎士シリーズは、主だった登場人物の枝の物語をメインに変えて描いてくれる形式を取っていて、そのことがますます物語りのイメージを大きく膨らます事が可能でした。その上、挿絵もものすごくイメージを刺激するので読んでいて楽しかったですね。さて、物語がついに大きく動き始めました。アーサーは天然ボケで自分がミカエルの騎士の特殊な力を持っていることに全く気付かずに生きています。モチロンそれは妹の器を借りた天使と悪友のカタチでまとわりつく悪魔のおかげなのでありまして。ついに悪魔と天使の渋々ながらの紳士協定にも関わらずアーサーの運命に変動が・・・。アーサーが、マーティンが、メアリが・・・人間と悪魔と天使が創り上げた世界はどうなっていくのかっ!? 待て、次号っ!(笑)
『ミカエルの騎士4 緑玉杯の騎士』 1998.9.10. 前田栄 新書館
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