酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
DiaryINDEX|past|will
| 2006年08月02日(水) |
『ミカエルの騎士5 土耳古石は忘れない』 前田栄 |
アーサーが属する教会は英国国教会。エクソシストなど異端と目されている。なのでマーティンの冗談からエクソシストもどき活動をさせられて有名になってしまったアーサーは大迷惑! なのにあろうことか父の代から御世話になっているフィスト牧師からエクソシストの芝居を頼まれてしまった。聞けば娘の結婚相手が亡き妻の亡霊に悩まされていると言う。愛する娘を思う老牧師にほだされたアーサーは渋々エクソシストの真似事をして、その男の亡き妻の形見の指輪を預かる事になり・・・!?
マーティンが知らない間にアーサーとメアリがやらかしていたエクソシスト芝居。その芝居で巡ってきた指輪を村に持ち帰ったら、村中の人々が亡くした人に「私を忘れないで」と訴えられまくる・・・と言う物語。自分を忘れないで欲しいと言う願いを人は死ぬ前に抱くものなのかしら。そんなこと願わなくても私はあなたを忘れられないけどなぁ・・・なんて亡くした愛しい人のこと思って思わずほろり。生者も死者もいとものがなし。「金緑石の誘惑」では、その昔、マーティンがジュリアーノ・アガタンジェロと言うミカエルの騎士を誘惑したことが描かれています。鬼畜にもマーティンは、ジュリアーノの婚約者エレオノーラもジュリアーノの妹のルチアも誘惑。ジュリアーノは禁断の愛に溺れ狂ってしまい、アガタンジェロ家はぼろぼろになってしまう。・・・マーティンさりげなく鬼畜まっしぐらです。さすが悪魔と言った感じ。この騒動の時に大天使ガブエルが召喚されるのでありますが、妙にマーティンと友達っぽいニュアンスが伝わってきます。こういう物語を読んでいると人間は悪魔や天使に翻弄されているのだなぁと思います。でもそれを影が薄いが実は主人公のアーサーが・・・!?ってことを、待て次号っ!(笑)
『ミカエルの騎士5 土耳古石は忘れない』 1999.7.10. 前田栄 新書館
|