酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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| 2006年08月05日(土) |
『ミカエルの騎士7 青金石の天使』 前田栄 |
同じ魂を持つロザリアと出会ったことでアーサーはマーティンという存在に疑問を持ってしまった。この世に科学で証明できないものなどないと言うアーサーの信念がゆらいでしまったためにアーサーのいる小さな村は摩訶不思議な存在たちが大挙していた。メアリは妖怪退治に幽霊退治とひとりで孤軍奮闘をしていた。そこへヴァチカンからの使者トマスが現れ、ミカエルの騎士であるアーサーを誘拐。トマスの正体は実は・・・!?
罪作りな悪魔マーティンが昔むかしソノ昔にミカエルの騎士ファミリーを篭絡していて、マーティンは忘れてしまっていて・・・・翻弄されたファミリーのひとりの魂は怨みに消滅することなく転生を繰り返していたのであります。まぁ、憎めないマーティンではありますが、やっぱり悪魔だけあって鬼畜だったのだなぁ・・・と言う展開になって参りました。悪魔も美しい魂に恋すれば変わることもトッテモ皮肉。そしてアーサーの美しい魂はマーティンへの疑心暗鬼でどんどん傷ついていき、美しい魂コレクターの天使メアリがますますマーティンへの怒りをつのらせるという構図を煽る煽る。自分の信じていた世界が揺らいでしまったアーサーはいったいどうなる・・・!? 待て、次号っ!(笑) 人でアレ、悪魔でアレ、天使でアレ、愛するがゆえに憎しみが深まってしまうことを軽いタッチでありながら、けっこうドドーンと直球勝負で描かれています。鬼畜で極悪非道な悪魔マーティンに振り回されるアーサーとメアリは気の毒であるケレドモ・・・ふたりともマーティンを愛してしまったのだから仕方ないことなのでしょうね。愛することって怖いことだとしみじみ思うのでありました。
『ミカエルの騎士7 青金石の天使』 2000.9.15. 前田栄 新書館
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