酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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| 2006年08月06日(日) |
『ミカエルの騎士8 征服されざる石の伝説』 前田栄 |
ヴァチカンに盟主=アーサー(ミカエルの騎士)を奪われたマーティンとメアリ。マーティンはメアリに覚悟の程を問い掛ける。アーサーに関わり執着し続けると自分のように変質を迎える、と。そしてメアリは姿を消してしまう。ひとりになったマーティンは天使ガブリエルに助けを請う。ガブリエルは悪魔であろうと友人であるマーティンを救おうと奔走する。マーティンはアーサーを救う事ができるのか。マーティンは闇に同化して変質してしまうのか。メアリはアーサーを見捨てることができるのか。そして・・・アーサーは悪魔と天使の存在を自分の心の中でどう昇華させるのか・・・!?
ついに『ミカエルの騎士』が完結いたしました。アーサーの持つ能力は自分の信じたことを具現化すると言うもの。ですから、必然的にアーサーの望んだ結末が物語の結末となる訳ですね。ららら科学の子アーサーが悪魔やら天使やらの存在をどう認めるか、そこにトテモ興味がありました。おおまかなエンディングは想像通りでしたね。にっこりv アーサーがアーサーである所以でありました。アーサーの美しい魂を愛した悪魔のマーティンと天使のメアリの選んだ道も素敵でした。愛が色んなものを凌駕する素晴らしきファンタジーでありました。惚れ惚れ。 悪魔も天使も人間も・・・完璧なものはどこにもなくて。愛ゆえに愚かで愛ゆえに醜くて、愛ゆえに強い。このエンディングでアーサーが「俺が主役だ!」と主張できて良かったなぁと思いました(笑)。あまりにも天使と悪魔の存在が強烈でしたものねぇ(苦笑)。
「日常こそが、本当に愛しいものだと。 私たちの周りには大気があり、なければ死んでしまうと解っていても、それを気にすることは滅多にありません。でも、今回のことがあってから、本当に大切なものというのはそういうものなのではないかと、思うようになりました。 普段は気付かないようなもの。あって当然だと思っていること。そんなもの総てが、幸福を作っているのだと」
『ミカエルの騎士8 征服されざる石の伝説』 2000.10.15. 前田栄 新書館
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