酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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| 2006年08月23日(水) |
『天国の対価 おもひでや』 宝珠なつめ |
生き人形のような美少女サナギは<思い出作家>、“おもひでや”ではサナギのお眼鏡に適った依頼人の望む夢を作りあげる。思い詰めてサナギの元に思い出を買いにやってくる人々。それぞれの思いと苦しみを抱えて・・・
タイトルとイラストから想像していたファンタジーからは、ほんの少し位置がずれたものでありました。ただ望むものを与えるわけではないし、その夢が必ずしも幸せを残さないと言うこと。なかなかシビアなものでありました。思い出作家のサナギの他の店長のテンと美少年のクレオの二人のスタッフも風変わり。なにやら過去にあったっぽいふたり。勿論サナギ自体がトッテモミステリアスです。たぶんこのシリーズは続いて、三人三様の物語が語られていくことでしょう。私的にはクレオが気になるかな。
失ったものの大きさに耐えきれず、ただひたすらに、その名を繰り返して。
『天国の対価 おもひでや』 2006.6.25. 宝珠なつめ 中央公論社
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