酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2006年08月31日(木) 『煌夜祭』 多崎礼

 冬至の夜に漂泊の語り部達が集まって物語を語るー煌夜祭。冬至の日に魔物となった者が人間を喰らいたいと言う欲望から気を逸らすことが出来る唯一の方法が夜が明けるまで物語を聞かせると言うことだったのだ。ふたりの語り部がふたりだけで語り合いはじめる。哀しい恐ろしい闇の物語を・・・

 仮面をつけた語り部ふたりが、魔物の物語を語り合う。そのひとつひとつの物語が最後に織り成す真実とは・・・と言う洒落た手法で面白かったです。うん。これって確かにもの悲しいファンタジーですね。語り部の正体までも物語に織り込まれていて最後のほうは読んでいて気分がかなり緊迫しました。

『煌夜祭』 2006.7.25. 多崎礼 中央公論新社



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