酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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| 2006年09月09日(土) |
『なぜ紫の夜明けに』 吉村達也 |
17歳の時に僕は自殺しようとして生き長らえた。その時に記憶の一部が消えてしまい、必死に新しい人生を生きてきた。あれから10年、いい会社で働き、美しい恋人と結婚間近な僕は至福の中にいたはずだ。なのに僕は謎の美女マリアの後を付回し、事件に巻き込まれ・・・そして10年前に失った記憶が蠢き始める・・・!?
吉村達也さんの物語は読みやすいのでつるりと読めてしまいます。でも今回の物語はホラーなのか恋愛ものなのかサスペンスなのか・・・最後の最後まで落とし所の見当がつきませんでした。こう落としましたか。うーん(不満)。僕が選んだケジメの付けかたは私は認められない。それはないだろう、と思いました。結局どこまでいっても自分に甘いんじゃないかしらん。昔の彼女、婚約者、謎の美女と3人の女に愛されるほどの魅力を感じなかったのも残念なのでありました。こういう男にそこまで入れ込める3人の美女の感性がわからなーい。
もしもそうだとしたら、自分が過去にやったことの報いが、いまになって痛烈な形で返ってきているとしか言いようがなかった。
『なぜ紫の夜明けに』 2006.8.25. 吉村達也 双葉社
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