酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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| 2006年09月10日(日) |
『光降る精霊の森』 藤原瑞記 |
故郷から逃げて森番をしているエリは、行き倒れの少女を助ける。その少女、普通の人間には透けて見える・・・どうやら半妖精らしい。少女・ファティの側にいる喋る黒猫ゼッテは毒舌でエリを翻弄する。ゼッテに翻弄されまくり、何故だか鷹の女王を訪ねる旅に同行する羽目になるエリ。そしてエリは逃げてきた過去と対峙することとなる・・・
ああ、いいですーv ファンタジーはこうでなきゃぁ! 不思議なキャラクター(登場人物とは言えない)たちがいっぱい。放浪癖のある鷹の女王がお気に入りです。いい味だしてるー。その女王の僕で苦労させられてるワートワーズも素敵。少女ファティの旅とエリの旅が連れてくる真実と結末。美しいことばかりじゃない真実を受け入れられた時に中途半端だったエリが最高にイイ男になっちゃいます。うふ。第1回C★NOVELS大賞受賞作と言うことで読んでみました。秋の入り口にファンタジーって合うみたいです。
「ファティ、心細いのはわかるがお前がしっかり目を開けていないと、見つかるものも見逃してしまうぞ。ゼッテの方はあたしが手を貸せるが、エリを見つけるのはお前の役目だ。まだ、何か悪いことが起きたと決まったわけじゃない。落ち込むのは、結果を見てからでも遅くはないだろう」
『光降る精霊の森』 2005.7.25. 藤原瑞記 中央公論社
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