酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2006年10月21日(土) 『刑事雪平夏見 アンフェアな月』 秦建日子

 無駄に美人な刑事・雪平夏見は誘拐事件の捜査に狩り出された。さらわれたのは生後三ヶ月の赤ん坊。その母親の言動は不自然。狂言誘拐を疑う雪平だったが、捜査するうちに少女の死体を6つも掘り起こしてしまう。いったい犯人の狙いとは・・・!?

 うーん・・・秦さん脚本のテレビドラマはかなり好物でありますが、この雪平の人気に便乗した小説化ってのはいかがなものやら。『推理小説』の時にも感じましたが、ページの使い方が邪道と言うか、奇を衒いすぎだと思うのです。ある程度の冒険や変化は望ましいと思いますケレドモ、あまりにもやりすぎられると引いてしまいます。そのあたりの見極めって結構大切だと思うのです。この雪平夏見ってキャラクターはテレビドラマでの篠原涼子さんがはまり役だったことがブレイクの訳ですよね。安藤君も瑛太クンがピッタリだったからこそよかったと。こうなっちゃうと鶏が先か、卵か先かになっちゃうか〜。ま、要するに雪平は篠原涼子でテレビだからこそ、だと私は思ったのでありました。

 えっ? 別に本気で言ってるわけじゃない? 単なる口癖のひとつ?

 いやいや、そんなことは問題ではない。
 なぜなら、言の葉には、人を縛り操る魔力があるからだ。


『刑事雪平夏見 アンフェアな月』 2006.9.20. 秦建日子 河出書房新社



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