酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2006年10月22日(日) 『水銀虫』 朱川湊人

 でろでろでろ・・・っと不気味。まずは表紙のイラストが不気味なのです。ううう。少年を虫のようなナイフが襲いまくっている。ああ、なんという恐ろしい表紙。このイラストだけで朱川さんのホラーっぷりが伝わってくるようです。そうです。ノスタルジックなほのぼの路線なんて望んじゃいけません。朱川さんのもうひとつの軸、ホラーですよ。もろホラー! 7日間のさまざまに不気味な日が淡々と語られていてうまいなぁと思いました。ウメズカズオせんせいを思わせる『しぐれの日』はちびりそうになりました。クスン。映像がダイレクトに浮かんでしまうのですものー。えーん。怖かったよぉー。「オマエ、キライダ」えーん。えーん。このテーマは永久不変でタブーでありながらもすごく魅惑的に感じてしまうのであります。これって日本的土着的なホラーだわ。うむ。ビョウビョウキの『病猫の日』も興味深かったですね。よくぞこの短さにこの物語を押し込めたものだと言うか。図書館が舞台となっているのですごくイメージが広がりましたし。なんだか・・・共感できるところがあったことが一番のホラーだったかもしれません。朱川さんはやっぱりウマイわv

確かにバカげて聞こえるかもしれませんけど、絶対にないとはいえませんわ・・・・・・人の心は、時には信じられない奇跡を起こすものですから

『水銀虫』 2006.9.30. 朱川湊人 集英社



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