酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2006年10月23日(月) 『パパとムスメの7日間』 五十嵐貴久

 事故に巻き込まれたパパとムスメの心が入れ替わってしまった! パパは47歳サラリーマン、娘は花の女子高生17歳。会話が全くと言っていいほど無くなっていた二人は必要にかられて会話をかわし、互いの生活を垣間見てドタバタ・・・と言う御約束的展開。でもこれがトッテモとってもいいのですよ。心がほんわか温かくなります。娘の小梅ちゃんがすごくいいお嬢さんでパパは娘の恋模様にハラハラドキドキ(笑)しつつ、邪魔しつつ、応援しつつ?みたいな。
 入れ替わりモノと言うのはハードルが高いと思うのです。今やバイブルとも言える『転校生』をはじめとして名作も駄作もぞろぞろですから。北村薫さんのぶには心に痛いエンディングだったっけ・・・まぁ、あれは入れ替わりモノ変化球ですね。そう言えばつい先日の世にも奇妙な物語ではOLと部長が入れ替わってました。そんな中で五十嵐貴久さんは真っ向勝負、しかもストレート。だからこそ清々しい読後感でにっこりだったのかもしれません。オススメですv

 お互いが立場を入れ替えたら、それまで見えなかったものが見えてきたのは確か。少なくともあたしはそう。

『パパとムスメの7日間』 2006.10.30. 五十嵐貴久 朝日新聞社



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