酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2006年11月05日(日) 『マニキュア』 松村比呂美

 真依子は高校時代の担任の訃報を受け取り、お悔やみとお花代を送った。友人の亜里沙には放っておけと言われたのだが。後日、担任の夫からマニキュアが送られてきた。可愛らしい清楚な桜色、それは真依子のような色だった。そしてそれより遅れて何もしなかった亜里沙にもマニキュアが送られてきた。色は真紅。香典返しとも思えないマニキュアは二人の女の運命に何を彩ろうと言うのだろうか・・・?

 新風舎文庫大賞を受賞された5人の作家さんが描かれた“2人”の物語の短編アンソロジー『ふたり。』に収められた松村比呂美さんの物語は・・・トテモ怖いものでした。この方は女が底に持つどろどろしたものをクッキリと表現されるので何だかドキリとさせられてしまいます。人間は清濁併せ持つ生き物ですから・・・。うう、怖かった(涙)。エンディングを飾られた松村比呂美さんの『マニキュア』が一番面白かったですケレドモ、北沢志貴さんの『みにくいおんなのこ』も良かったです。読んだことのなかった作家さんの物語を読めて新しい発見があることがアンソロジーの良さですね。

『ふたり。』新風舎文庫大賞短編アンソロジー 2006.11.5. 新風舎



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