酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2006年11月10日(金) 『春の魔法のおすそわけ』 西澤保彦

 親愛なる西澤保彦さま。『春の魔法のおすそわけ』を拝読しましたわ。ううう、痛い。なんて痛いの。ううううう。なんと申しましょうか、西澤先生の屈折した持ち味のひとつがいい具合に爆裂しておりまして、痛いよ、痛いよ、とわーわか騒ぎながらあっと言う間に読んでしまったと言う感じにございました。それでもほんわかテイストに紛れさされているあたり、姑息な技ありなところに笑えましたわ(褒めてますのよ)v 四捨五入すると50と言う中年女性作家の人生と性。酒にまみれてやさぐれて美青年を買おうとする流れには、あまりにも西澤テイスト満載で可笑しくてたまりませんでしたわー(スキスキ大好き)。この酒まみれっぷりたるや西澤保彦ならではで酒の匂いがぷんぷくしてきたのには驚いてしまいましたのでございますわよ。ホホホホホ。人生が半ば過ぎ、自分になにがあるのかとふと考えた時、小夜子さんみたいなトンデモナイ行動に出れたなら幸せかもしれませんわね。きっとそうしてまた寂しさや心許なさや色んなものを乗り越えて生きていくのでありましょう。小夜子さんは西澤先生のお姿なのでしょうねぇ。ホロリ。そんな貴方を愛してやみませんことよ。ええ、ほんとに。いついつまでも。

 要するにあたし、寂しいんだ、と。

『春の魔法のおすそわけ』 2006.10.25. 西澤保彦 中央公論社



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