酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2006年12月22日(金) 『ワーホリ任侠伝』 ヴァシィ章絵

 ヒナコは商社のOL。直属の上司のセクハラを笑顔でかわしながら、腹の内にマグマのような怒りが燃え盛っている。海外ワーキングホリデーの資金づくりのためにキャバクラでバイトを始め、運命の恋に落ちていく。最高の男に愛されたヒナコだったが、実はその男が原因でトンデモナイ暴力の世界へ墜ちてしまい、ニュージーランドへ脱出。しかしそこでまた・・・!?

 物語のテンポが良くて、主人公のヒナコがからりとしているので陰惨な内容が明るく感じる不思議な物語なのです。マンガや映画を文字で読んでいる感覚ですね。ワーホリってワーカーホリックなのかと思って手に取ったのでワーキングホリデーだとは思わなかった〜。なるほどねぇ。ただ老婆心ながら若い世代の女性がこういう感覚を当たり前の様に受け入れてしまうとしたらスゴク怖い。これは物語だからフィクションだから落ち着くべき場所へ着地できたのであって、現実では絶対にマトモには終われません。そんなに甘くも簡単でもない。危険をキッチリ踏まえた上でフィクションを楽しんで欲しいと思うのでありました。こういう感性はある意味すっごく怖いものだと思いました。あ、なんだか真面目だ。

『ワーホリ任侠伝』 2006.10.19. ヴァシィ章絵 講談社



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