絵童飛鳥のエッセイ
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ポセイドン
漆黒の闇の中、僕は、手探りで道を探した。 でも、僕は、道を探し当てることも出来ないまま、 奈落の底へと落ちていった。 地面に足をついたとき、すでに僕は足の骨を折っていた。 しかし、歩かなければならない。生きているのだから、 時間には逆らえない。 僕は、また、手探りで道を探し、足の痛みに耐えながら、 一歩一歩、歩いていった。 しかし、そんな僕に不幸は突然訪れる。 道を探すために、前に出した手に激痛がはしる。 僕の右手は、無惨にも切り落とされた。 切り裂かれたところからは、夥しい真紅の血が流れ落ちた。 しかし、その状況も僕には、見えない。 そう、僕は、すでに視力を、眼球を潰されているのだから…。
僕は、歩く。朦朧とする意識の中で、只、歩く。 死が僕を迎えに来るまで…。
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