ぼくたちは世界から忘れ去られているんだ

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2002年04月18日(木) 「僕はいい人」
 君が、いい人みたいに笑った。
「ねぇ、いいひとみたいだね」
 そんなこと無いくせに、と、付け足す。君が今度は、思い切り嫌な奴のように笑った。
「ねぇ、その顔。ずぅっとその顔してて」
 あたしは君のその世界全てが絶望で縁取られていることを知った子供のような、大量殺戮人形のような、君の笑顔が大好きなんだ。
「いやだよ。こんな顔してちゃ、みんな僕のことをやな奴だって思う」
 眉間に、ぐぐぐ、と皺を寄せて、俺は苦悩してるんだぜ、というようなわかりやすい表情になる。
「じゃぁさ、鉢巻きをつければいいよ」
 鉢巻き?と、君がまたいやらしく笑った。あぁその顔をしていて欲しい。
「僕はいい人です、嫌な奴じゃぁございませんよ、って書いた鉢巻きをいっつもつけてればいい。そしたらみんな、君のこと、ああ、彼はああ見えていい人なんだな、と思ってくれる」
 そう?といってきみは、鉢巻きを締めた。白い鉢巻き。
 きゅうきゅうと締め上げる。締め、あげ、る。
 君の頭はぽひゃんと破裂して、跡にはなんにものこらない。


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