ぼくたちは世界から忘れ去られているんだ

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2002年05月05日(日) K先生助けて。
 なんだか、色々なものを終わらせてしまいたい。
 今日、いくつかのものを終わらせました。
 かかわった人たちはみな、幸せを掴むのを諦めたもの特有の半笑いでわたしに、 さようなら、と云いました。

 紫外線を畏れて、わたしは広場の木の下にいた。
「ねぇ、お話、しましょうよ」
と、無邪気な、けれどわたしには邪悪でしかない笑顔で、わたしより三つほど下に見える少女がいった。
「ごめん、今、話すことなんて、ないんだ」
 そうわたしが云うと、少女は今度ははっきりと邪気の見て取れる笑顔で、
「そうよね。お前なんて、その程度の人間よね」
と、嘲った。
「ごめん、ほんとに、この程度の人間だから」
どうとも取れる返事を返すと少女はくわっと目を見開いて、直立姿勢のまま後ろへ倒れた。どうしたの?と、わたしがしゃがむと彼女は目を見開いたまま、
「終わりだ。なにもかも。お前は終わりだ。終わりだ」
と、云いつづけていた。
 わたしは恐ろしくなって、なんだかよくわからないけれど、目の前にあった真紅のリボンを引っ張った。少女はばっと立ち上がり、
「終わらせられぬのなら、わたしが終わらせてやろう」
と、云って、わたしの首をリボンで絞めて来た。とっさに膝で少女の腹を蹴ると、少女は後ずさって、わたしに極上の微笑を見せた。
 そして細い足で、軽快に走り去り、わたしは一人取り残された。
 木に登ると、其処は草しかない草原で、真実の愛のように夕日が沈んでいた。


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