激動の人事の中で生き残る術考えながら海辺を走る
ため息を吸い込むように青々と繁る母校の欅を想う
海沿いの街では傘はさせないと思い知るよな今日の突風
トラブルにきょとんとしてるその人を心の中で斬って捨て去る
君の名は浦島花子?栄光の夢追いかけて今も夢みて
初夏の海はあの日と変わらずに青く輝き私を包む
あちこちに引かれた線のその間 苦闘の日々の汗も沁み込む
海沿いの街にも風が光ること感じて急ぐ着任の朝に
とりあえずメンバー揃いこれからの作業を語る午後のひとこま
わけありの支援の予感してきたよ 仕事の山の多さを知れば
これもまた暗黙知なの?ため息をひとつつきたくなる心かな
行き当たりばったり人事皺寄せは実力のあるスタッフに来る
『もイチド』と言い聞かせつつ歩む道 ペットボトルを片手に強く
とりあえずいまのところは但し書きわざわざつけた報告が来る
都会でも花びら乗せた風が吹き春爛漫が来たこと告げる
花屑の散るさま眺め来年は来年こそはとひそかに誓う
辛夷散る空の青さを見上げれば季節は動き人も移ろう
人事とは「ひとごと」と知る心地して引き合い受ける午後のひとこま
泣きごとは聞きたくないと思いつつ柵壊す勇気もなくて
久しぶり銀座の街を散策し自分に戻る素顔に戻る
浴びる陽の明るさにふと和んでる自分に気づく退勤時間
ひっそりと白く佇む夜桜に自分の姿重ねておりぬ
満開の桜が祝う完了の仕事の跡を振り返る朝
闘いの名残を残す膨大なデータの山整理する夜
いきなりの異動に部下も戸惑うよ 万愚節だと思いたいよね
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