妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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2002年09月01日(日) |
『やさしい竜の殺し方1』(小) |
【津守時生 角川スニーカー文庫】
このタイトルを見るたびに疑問に思うのは、「やさしい竜」なのか「やさしい殺し方」なのかということ。 「美しい日本の私」みたいなもんです。 で、一巻を読む限りじゃわかりませんね。 というより、竜を殺したらいけないんじゃないのか、と。 だって、主人公の片割れが竜王ですから。 まあ、全四巻のうちのまだ一巻目ですから、まだまだわかりません。
スニーカー文庫ではありつつ、ボーイズラブ。 男性読者から「吐き気がした」と抗議されたらしいですが、まだ何もないですねぇ。男性にそんな激しいリアクション取らせるようなシーンは。 それを期待して読んでるわけじゃないですよ。
著者のプロフィールで「男の色気と美貌〜男はなんたって長髪」と言い切るサマを見て、あまり気があいそうにはないなと思いつつ、読み始めてみました。 (男の色気はともかく無闇に長髪は気に入らない) 恐らくこれを読んだ大抵の人は、そのギャグですか?と言いたくなるような設定に唖然としたと思います。 この世界の設定。 大小四十七、一堂一戸二譜四十三圏と総称された国に細分化されているのですが、それって一道一都二府四十三県のまんま…。 国の名前まで、藤京(トウキョウ)戸、逢坂(オオサカ)譜、宮木(ミヤキ)圏…… 世界観と名前が合わないんですが。バリバリファンタジーな横文字の名前が羅列される中、国の名前がこんなだと。 ここで、ちょっぴりげんなりしてしまいました。 ま、作者の遊び心なのでしょう。
後半徐々に作品への好感度は上がって参りました。慣れてきたのでしょう。RPGテレビゲーム風のストーリーとか用語に。 ウルの愛に、アークがどう答えるのかが今後の展開ですね。 ああ、こう一言で言ってしまうと本当にそれだけの内容に聞こえますねぇ。 そんなことはないんですが。
全五巻、ぼちぼちと読んでみようかという気にはさせられたので、面白くないことはない、と思う(でも人にはお薦めしません) とても煮え切らない感想文でした。
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