妄言読書日記
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2002年11月27日(水) 『詩人の夢』(小)

【松村栄子 ハルキ文庫】

『紫の砂漠』の続編。

ん〜・・・・・・ええ・・・・・
なんだか納得できない。

シェプシというキャラが、なんだか共感できない感情移入できない何したいんだかわからない・・・。
その他のキャラもそろいもそろって、自分勝手やなーという感じ。

こと、ケプには何度、このクソガキ!と拳を握り締めたことか。
あげく、二人が恋人だし・・・
あんた、いつの間にそんなにケプのこと愛してたの。
最後の最後で唐突のようにも思えるし、詩人はどうした、と言いたい。

そう、相変わらず死してなお一番哀れなのが詩人。
神様扱いされているが、そんなことは救いになるもんか。
前作では、裏切られ、恋を求めて育ちながらも疑心を捨てられず、詩人に身を落とし、あげく知り合ったばかりの子どもの我侭のせいで処刑され、なんのフォローも無い。
今回は、献体扱いですよ。
死体で勝手にクローン作られ、勝手に落ちぶれ神学者によって神に祭り上げられて、布教の道具にされてる、どこまでも哀しい詩人。
ちゃんと埋葬されたんだろうか。
私はそのことだけが気がかりだ。

これでいいのか?
私は神に愛されていたなどという、回答では満足しませんよ。
そんなものは幸せじゃないですし、詩人もそんなの求めていたか?
シェプシのつぐないは、ケムを育てることで済むのか?

あげく二人、くっついてるし・・・。
戦争も一人の男の詭弁によって、終結するし。
そんなんで平和になれば世の中簡単だよ。

そうは言いつつ、シェサが一番好きですけど。この中では。
詩人を抜かせば。もう彼だか彼女だかは憐れ過ぎるよ。扱いが酷いですよ。

なんだかなーと。
まあ、ハッピーエンドだからいいですけど。

(紫の砂漠のラストとなんだか矛盾を感じるのは気のせいですか・・・。気のせいですかね・・・)



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