妄言読書日記
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2002年11月28日(木) 『銀河英雄伝説外伝1黄金の翼』(小)

【田中芳樹 徳間デュアル文庫】

ああ、やっぱり大好きだーっ!
銀英伝はやはりいいです。
読む前は、なんでちゃんと徳間は文庫で出さないんだとか、この中途半端なサイズはなんだとか、思ってましたけど、もうそんなことはどうでもいいです。

これに収録されている短編はすでに読んだことがあるので、再読ということになりますが、久々に銀英伝の世界に触れて、やっぱり大好きだと再確認です。
好きだ好きだと言って終わりたい所ですが、一話ずついきましょうか。

「ダゴン星域会戦記」
ヤンやラインハルトが登場しない珍しい話。
ラインハルトとキルヒアイスや、ロイエンタールとミッターマイヤーのような、信頼しあった仲も好きですが、ユースフとリン・パオのように、悪態と嫌味の応酬をしつつも、お互いの能力は渋々認め合っている間柄も好きです。
いやあ、もう、ほんとみんなかっこいいです。
戦闘の陣営がうまく想像できていなくても、戦況にどきどきしつつ読みました。

「白銀の谷」
若かりし、ラインハルトさまとキールーヒアーイースーです。
といっても、彼らはずっと若いですが。
もう、キルヒアイスが出ていると何が何だかわからないけれど、名前を叫んでしまいます。
ああ、ラインハルトさまの横に、当たり前のようにいる彼を見ると、胸がいっぱいになりますよ・・・。
本当に2巻は衝撃だったのです。
高校受験に失敗するかと思いました。衝撃で。

挿絵、ラインハルトさまの髪が短くて、意外。
可愛い頃もあったんだよなー・・・・
キルヒアイスが側にいた頃は・・・

「黄金の翼」
ヤーンーーーッ!

鬱陶しい奴に成り果てていますが(いつものことながら)、一等好きなのはヤンなのです。
残念ながら、この話しかヤンは出てこない。
若いよー。若いけど、今と(今というのはいつを指すんだ・・)変わらない。
出てくると言っても、ちょっとだけだし。
ヤン少佐って聞きなれませんね。やはり、「提督!」と呼びたい。

「キルヒアイス、おまえはこれからもずっとおれのそばにいてくれるな」
「ええ」
「おれよりさきに死んだりしないな?」
「ええ、ラインハルトさま」
「約束したぞ。忘れるなよ」

だー・・・っと、滂沱の涙に暮れたくなるシーンです。
ああ、なぜだ。なぜ・・・・キルヒアイス・・・

「朝の夢、夜の歌」
ラインハルトさま、にわかに探偵となる編。
ミステリー好きとしては、にやりとしたくなりますね。
殺人事件の調査を命じられる、ラインハルトとキルヒアイスが、なんだかパラレルを読むような錯覚に陥ります。

キルヒアイスとラインハルトさま(どうしても“さま”付けしてしまうよ)が、自然に一緒にいる姿が書かれていると、辛いような嬉しいような、そんな複雑な心境になります。
この二人の短編が多いのは、やはり本編での別れが早かったから、なのか・・・
嬉しいけれど辛い。

「汚名」
キルヒアイスが主人公。
どこまでもキルヒアイスと叫ばせたいのか!!

先にも述べた通り、ヤンが他の追随を許さぬほどに好きですが、キルヒアイスはまた別格に好きです。
ラインハルトさまと共に好きです。
この二人に関しては言葉に言い表し難いです。
もうちょっと冷静になったら、適当な言葉も思いつくかもしれませんが。

この話は、キルヒアイスのその後の運命を思いつつ読むと、本当に辛いです。
彼が不幸だったとは思いませんし、思いたくは無いのですが、やはり、やり切れませんね。
キルヒアイス、早すぎるよ・・・

しかし、私は短編そのものの、感想をさっぱり述べていない。



蒼子 |MAILHomePage

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