妄言読書日記
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※ネタバレしています
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2010年06月12日(土) 『後悔と真実の色』(小)

【貫井徳郎 幻冬舎】

『慟哭』超えはしなかったなぁという感想。
慟哭に比べればやっぱり、話しもミステリとしての仕掛けも弱いなぁと思わざるを得ない。
あんなもんでデビューしたらその後がそりゃあ大変だよね。

本格ミステリでありつつ、刑事小説である、というのはなかなか両立しにくいもんだなぁとしみじみ思いました。
どちらかを立てればどちらかが立たず。
鑑識でもうちょっと詳しいことわからんのかい?とずっと思っちゃいましたねぇ。
刑事小説としての側面はもはや、ミスリードさせたいために大量にキャラを投入しただけのようにも見えるし。
悪くはない。刑事物として読めなくもない、という出来栄えなだけに、普通に探偵ものにしといた方がよかったんではないかという気もする。
結局、西條が後半あんなことになるならば。

以下、ネタバレしつつ。

犯人は残念ながら大分初期にわかるうえに、動機もけっこうすぐに見えてしまい、そのため、あぁきっと美叡は死ぬんだろうなぁとずっと思っていてその通りに。
がんばって色んなところに気を散らそうとしているのはわかるのだけれど、その分、筋道がはっきり見えてしまいました。
ラストもねぇ・・・。
西條はなんだったんだろうな。
たぶん、登場人物のほとんどがもやもやしたまま終わったと思います。

なんでこのタイトルだったんだろう。



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