妄言読書日記
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2010年09月12日(日) |
『新釈走れメロス 他四篇』(小) |
【森見登美彦 祥伝社文庫】
名作を森見リメイクした短編集。正確には連作になってましたが。いつもの森見節です。 百物語だけ原作読んでないのですが、あまり読んでる読んでないは関係ないです。
「山月記」 これはモリミーと相性良さそうと思ったとおりの出来。 虎じゃなく天狗になるあたりが京都。
「藪の中」 殺人事件を映画サークルの三角関係に置き換えて。 モリミー的恋愛はいつも相互が結局理解しあわないところがいい。
「走れメロス」 図書館警察と詭弁論部が出てくるとだいたいおもしろな方向へ行く。 ということで、シリアス続きの中、原作を逆手にとって、囚われの友人の元に戻らず逃げ回り続けるという話しに。 ひたすら馬鹿馬鹿しくて楽しい。
「桜の森の満開の下」 原作をほぼ覚えてないのでなんともなんですが、切ない恋物語に。 甘酸っぱいではなくほろ苦い。
「百物語」 『きつねのはなし』のようなちょっと怖いような話し。 今までのキャラ総出演です。
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