妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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2011年04月11日(月) |
『まことの人々』(小) |
【大森兄弟 河出書房新社】
どうしても大森兄弟の本は、どうやって書いてるのかなぁというのが気になってしまう。
「まことの人々」という題の劇で、人間のクズであるエドモン軍曹役をやることになった彼女が、徐々にエドモン軍曹役にのめりこんで行ってしまうという話しなんだけれど、イメージするほどホラーなわけでもなく、何か大きな事件が起こるわけでもない。 なんとなく嫌な感じというのは『犬はいつも足元にいて』の時と同様。
ラスト、舞台本番のシーンで、観ているものも現実と舞台の境界を見失っていく様が、ト書きに紛れ込んでいく手法で書かれていて読んでいても不安で不気味。
終わってみればやっぱり大きな事件はなかったのだけれど、ほっとするような落ち着かないような気分。
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