妄言読書日記
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2011年12月15日(木) 『風渡る』(小)

【葉室麟 講談社】

先日読んだ『風の王国』はこれの外伝だったらしい。
あれを読んで疑問だった、ジョアンと官兵衛の関係とか、官兵衛が本能寺を画策したという経緯がこちらでわかりました。
よくよく読むと、官兵衛が画策したというか半兵衛に走らされたというか。
松永久秀や荒木村重の謀反、信長狙撃事件も半兵衛が裏で糸を引いていたという。
え、半兵衛最強説?
さほど出番はないのに、なんだかインパクトのある半兵衛です。息子助けるから信長殺してくれって、すごいな!あの友情物語的美談がこんなことに!

官兵衛の十代の頃から書かれていて、厚さのわりに珍しい。
とはいえ、伴天連のジョアンのことの方がより書かれている印象でした。
いや、そんな、ジョアンってよく知らんしその上出生の謎とか提出されても……というのが今回も正直な感想。

若い官兵衛が鮮やかにロザリオ巻き上げて海賊船にさっさと乗り込むシーンが好きです。
悪い子!

小説としてはなんだかあっちこっちに視点が飛びすぎてどの人物も掘り下げ切れてないような気がしました。



蒼子 |MAILHomePage

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