 |
 |
■■■
■■
■ ざわざわ
私の胸の中に、不安という名の小石が落ち 波紋が少しずつ広がってゆく。
相手の行動や態度に、昨日とは違う何かを感じとった時。 例えそれが、取るに足りない変化であったとしても 妙に気になってしまうことがある。
もしかしたらその変化が “愛情の減少の表れ”なんじゃないか? “良からぬ出来事の序章”なんじゃないか? などと訝ってしまうからだ。
私は胸のざわざわを鎮めようと、ワインを一気に流し込んだ。 そんなことをしたって、一時的な逃避でしかないのだけれど。
翌朝。 私の携帯には、彼からの2通のメールと2度の着歴が残っていた。
ゆうべは・・・ごめんね。 ワイン飲んで、酔っ払っちゃってたの。
はははははは。
彼のその、少し乾いた笑いの裏には 心配や安堵やいくらかの腹立たしさがあるに違いないと 私の胸はチクンと痛んだ。
あのさ。 今夜、そちらに行くことにしたから。
えっ、明日じゃなくて? 先約の方は? キャンセルしちゃっていいの?
うん。大丈夫だよ。 だから、今夜もデートしようね。
・・・うん。
胸のざわざわは、この時、一瞬にして消えたのだった。
2003年03月28日(金)
|
|
 |