と呼ばれるF組初戦はアルゼンチンが1−0でナイジェリアに勝利。これまた、レベルの高い試合だった。アルゼンチンは私が優勝と予想したところ。大好きなベロンがいるからだ。オルテガのスピードあふれる、右サイドラインからの攻撃が光った。決勝点はベロンのCKをバティが決めたもの。まるでお約束どおりのよう。でも、圧勝というわけではない。さすが、ナイジェリアである。 野球と違って、サッカーには勝利の方程式など存在しない。なにが起こるかわからないのだ(ま、野球の場合でも方程式が崩壊することはあるけれど)。野球の場合にはその確率が何%かであるのに対し、サッカーは確率を計算することすらできない。 * * このグループの第二試合はイングランドVSスウェーデン。結果は1−1の引き分け。人気者のイングランドのベッカムが出場(後半すぐに交代)した。 試合は前半とばしすぎのイングランドが後半息切れして、しぶといスウェーデンに追いつかれた。それにしても厳しい試合である。ガチンコの白兵戦、テレビ観戦なのに、骨と骨がぶつかり合う音が聞こえてきそう。欧州勢のサッカーの真髄を見た。このあたり、前にも書いたように、日本サッカーに欠けている激しさ、「ゲルマン系」と私が表現しているプレイスタイルである。もちろん、「ゲルマン系」といっても人種を指しているわけではない。イングランドの場合、アフリカ系イングランド人が多いし、今回出場を逃したオランダも旧植民地出身者を含んだ多国籍軍である。それでも、イングランド、オランダで好まれるプレイスタイルが色濃く残るのである。スウェーデンもしかり。 この試合を見ていると、サッカーとは「高い・強い・速い・激しい」である。無論、「巧い」がないわけではないが、「巧い」はベッカム一人というのが実情なのかもしれない。11人がベッカムでも勝てないし、ベッカムがいなくても勝てない。サッカーは不思議なスポーツである。
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