Sports Enthusiast_1

2002年06月11日(火) 王者の座

フランスが負けた。予選リーグで勝ちなし。得点なし。前回優勝は地元の利、フロックといわれかねない。大会直前のジダンの負傷、メンバーの高齢化、監督の才覚などの面で、王者の座は守れないと思った人もいただろうが、私も含めて、予選敗退はだれも予想しなかったのではないか。
思えば初戦がすべてだったのかもしれない。セネガルというチーム、いや、フランス人にとって「セネガル」がどういう意味をもつものなのか――が、われわれのような他国民には、理解できなかったのだ。フランスチームの民族構成(アフリカ系移民の選手)、フランスと旧植民地国との関係、フランスリーグにおけるアフリカ系選手と欧州各国リーグの関係・・・フランスがアフリカと密接な関係にあることが、もしかしたら、前回の優勝と今回の敗退の両方をもたらしたのだ(としたら)。
いま思えば、セネガルから喫した敗北は、フランスチームに想像以上の打撃を与えたのではないか。
同じくグループAのウルグワイも敗退した。今日のセネガル戦は不思議な展開だった。3点とられて3点とってのドロー。結果からいえば、バランスが悪いのだけれど、追い上げた気迫を評価すべきだろう。ニュースに何度も流れたシーン、あのヘディングシュートが入っていれば・・・と惜しまれる。
さて、アイルランドの調子がいい。エース、ロビー・キーンの離脱で厳しいと思われたが、こちらは敢えてロビー・キーンを外したマッカシー監督の手腕が光る。サッカーがチーム力で戦うことを、改めて、教えてくれた。強豪のひしめくグループEでの予選突破は立派なものだ。
同じグループEでは、不調といわれたドイツが勝ち残った。このチーム、GK、カーンの存在が大きい。いかつい顔は強い意志を感じさせる。私はこういうタイプの選手を嫌いではない。キーパーというポジションには向いている。
どれも厳しい試合ばかりだ。まさに、サバイバル。ワールドカップは面白い。


 < 過去  INDEX  未来 >


tram