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2013年03月03日(日) 菅野(読売)、オープン戦で4回KO

読売・菅野智之のオープン戦登板を見た。相手は福岡ソフトバンク。結果は4回、8安打、4失点と最悪だった。解説のS氏(読売OB)も肘の下がったフォームの悪さを懸念していた。先回の当ブログの筆者の指摘をプロの目が認めてくれたことになる。

この日の投球内容の特徴は、カットボール、ワンシーム、トゥーシムといった抜け気味のボールが多かったこと。直球のコントロールが悪く、変化球でかわそう、という意図だったようだ。

中継のアナウンサー氏の情報によると、読売投手陣は概ねキャンプ疲れで、コンディションはよくないらしい。そういうときもあるだろう。菅野の場合、肘が下がっているから、疲労が溜まるにつれてストレートの球威が極端に落ちる。しかも、ストレートが自然とシュート回転し、右のパワーヒッターならばオーバーフェンス、左打者ならば左中間に飛ばされる。長打の被弾率は高くなる。

シュート回転系の投手の場合、コンディションがいいときにはクセ玉となって、左打者からは遠くに決まり、右打者ならば詰まらせて、抑えるケースもある。しかし、100球程度、中5日の登板を続けていくうちに肘に疲労が蓄積し、2〜3シーズンで壊れる場合が多い。

むろん、例外もある。MLBの大投手・ランディ・ジョンソンである。彼の場合、スリークォータ気味のフォームで25年間もMLBで投げ続け、サイ・ヤング賞を5回獲得している。全盛期には、160キロを超える速球、高速スライダー、スプリッター、ツーシームを駆使して、強打者から三振を奪い続けた。

だから、肘が下がっているから悪い投手だとは確言できないのだが、ランディ・ジョンソンはきわめて特殊な才能をもった投手であって、フィジカル面でも菅野と比較はできない。しかも、抜いたボールよりもスライダーを得意とした点で菅野とは特徴が異なる。

オープン戦では前回登板で好投し、今回登板でKO。次回、好投すると、“調子次第”の一言で片づけられてしまうかもしれないが、筆者が投手コーチならば、ルーキーイヤーの今シーズンは二軍でフォーム改造に取り組ませる。もちろん、一軍ローテーションには入れない。

学生野球の輝かしい成績を引っ提げて、ドラフト破り(日本のスポーツ・マスコミ用語で「浪人」)した「巨人軍監督」の甥という「ゴールデンボーイ」を、読売球団がどう育てるかが見ものだ。


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tram