| 2013年06月23日(日) |
期待できない1年後(W杯ブラジル大会) |
<コンフェデレーションズ杯:日本1−2メキシコ>◇1次リーグA組◇22日◇ベロオリゾンテ・ミネイロン競技場
日本、メキシコともに1次リーグ敗退が決定した消化試合。日本がメキシコに敗れ同組最下位となった。得点経過等は省略する。
大会開催前の予想通り、“死のグループ”と呼ばれたコンフェデ杯A組は、ブラジル(勝ち点9)、イタリア(同6)、メキシコ(同3)、日本(同0)の順位で終了した。世界中のだれが予想しても、それしかないくらい順当な結果だ。途中(日本の第2戦)、日本がイタリアから3得点を奪う乱戦を演じたが、結局は4失点で敗けた。
日本はアジアのベスト4以内の実力にすぎない。南米、北中米、欧州の強豪国からは勝ち点1すら奪えない。これが日本ナショナルチームの実力であり、よほどの幸運に恵まれない限り、W杯ベスト8に進出することは難しい。
◎注目に値するザッケローニの戦略
このたびのコンフェデ杯のグループの組み合わせが決まった時、筆者を含めて日本のサッカーファンは、この大会(コンフェデ杯)は強豪3国の胸を借りるという意識で支配されていた。負けてもいいから、「いい内容」の試合を見せてほしい、という思いだった。ところが、そんな日本サッカーファンのナイーブ(ウブ)な心情とは裏腹に、ザッケローニ日本代表監督はリアルにも、予選リーグ突破の可能性を探っていたようなのだ。
その戦い方、つまり、ザッケローニがとった戦略とは、初戦の開催国ブラジル戦を捨てるというものだった。いかにも現実的な作戦だ。そして、中2日で日本と対戦する母国イタリアとの試合に全精力を傾けた。結果は負けたけれど、イタリアを追詰めるところまでいった。ザッケローニのリーグ戦対応は見事というほかない。
思いだしてほしいのは、日本が予選リーグを突破したW杯南アフリカ大会の(グループリーグの)戦い方だ。岡田ジャパンは初戦のカメルーン戦をチャンスととらえ、そこに全精力を集中した。当時、カメルーンチームは報酬問題等で主力選手が練習に不参加だったりして、代表チームは崩壊寸前だった。カメルーン戦で勝利、第2戦目の強豪オランダ戦は捨て試合――うまくいけば勝ち点1(引分け)、そして、最終戦のデンマークに勝ちに行くというシナリオで、それがうまくはまり、日本はベスト16入りを決めた。
世界サッカー標準からみれば弱小国日本だが、グループリーグの組み合わせに応じた戦い方をすれば、リーグを突破できる可能性がゼロではないことを実証した。
このたびのザッケローニは母国イタリア代表のコンディション、チーム事情等を把握する情報を得ていたのだろうか。彼がイタリア人だから知り得たものだったのか、それは外部者の筆者にはわかりかねるものの、相手国がどこであれ、相手国の現状分析を怠らず、いくらかでも勝ち点を積み上げられる方向性をぎりぎりまで探ってほしいものだ。現状の日本の実力では、日本がW杯でベスト16に入るためには、予選リーグ3試合全部を勝ちに行くことは不可能。中には捨て試合、引き分け試合も計算すべきというわけだ。ついでに言えば、守りきるサッカーもしてほしい。
◎日本代表の課題
日本代表の課題となると、言い尽くされた感があるものの、�ー虍�(とりわけセットプレー対策)、��攻撃における決定力、��ミドルシュート力、�ち�手起用(選手層)、�ち澗里亮紊機�甘さ――と山積状態だ。換言すれば、日本サッカーのレベルが世界標準からみれば、かなり下回っているということにすぎない。W杯開催まで1年を切った現状で、改善できるのか。
◎新戦力の台頭がない
コンフェデ杯の日本代表は GK=★川島永嗣、西川周作、権田修一 DF=伊野波雅彦、酒井高徳、★長友佑都、★内田篤人、★今野泰幸、栗原勇蔵、酒井宏樹、★吉田麻也 MF=★本田圭佑、★遠藤保仁、清武弘嗣、★香川真司、細貝萌、中村憲剛、★長谷部誠、乾貴士、高橋秀人 FW=★岡崎慎司、ハーフナー・マイク、★前田遼一 (★レギュラー)
一方、いまから3年前(2010)、W杯南アフリカ大会の代表メンバーみておこう。 GK=川口能活、楢崎正剛、☆川島永嗣 DF=☆中澤佑二、☆田中マルクス闘莉王、☆駒野友一、岩政大樹、今野泰幸、☆長友佑都、内田篤人、 MF=中村俊輔、稲本潤一、☆遠藤保仁、中村憲剛、☆松井大輔、☆阿部勇樹、☆長谷部誠、☆本田圭佑、 FW=玉田圭司、☆大久保嘉人、矢野貴章、岡崎慎司、森本貴幸、 (☆カメルーン戦スタメン)
現在の日本代表から、GKの川口、楢崎、DFの闘莉王、中澤、駒野、岩政、MFの中村、稲本、阿部、松井、FWの大久保、玉田、矢野が消え、そのかわりの新戦力としては、GK西川周作、権田修一、DF伊野波雅彦、酒井高徳、栗原勇蔵、酒井宏樹、吉田麻也、MF清武弘嗣、香川真司、細貝萌、乾貴士、高橋秀人、FWハーフナー・マイク、前田遼一が加わった。
しかしながら、代表レギュラーの座を獲得できているのは、CB吉田、MF香川、FW前田のみ。期待されているFWハーフナー、MF清武、乾、DF(SB)酒井(高)、酒井(宏)は控えにとどまり、前回大会の代表選手を追い越すまでに至っていない。
香川のイングランドプレミアリーグにおける活躍及び複数の若手選手のドイツ移籍に目を奪われ、日本は若手が台頭していると錯覚させられているが、代表レベルでは、新戦力が南アフリカ大会の主力を追い越していないことになる。また、課題となるDFとりわけCBについては、イングランドプレミアでレギュラーを獲得した吉田と、ベテラン今野のコンビで固定されているが、南アフリカ大会の闘莉王、中澤ほどの安定感がない。
ボランチの遠藤、長谷部もほぼ不動。Jリーグではボランチに人材豊富だが、遠藤、長谷部を追い越せない。遠藤(33才)は超ベテラン(ドイツ大会からブラジル大会まで、おそらくW杯3大会連続の代表選出になるのではないか)の域に達している。年齢がすべてではないが、サッカーは若者のスポーツといわれるくらいだから、いまから1年後はだいじょうぶなのか。
そう考えると、代表チームを勢いづける媒体となる新戦力の不在は、ブラジル大会の致命傷になる可能性もある。いま現在のところ、スーパースターが誕生する予兆はない。
筆者はMF高萩洋次郎、FW佐藤寿人の広島の2選手に魅力を感じるが、チームにフィットする時間はない。FW工藤壮人(柏)、FW宮市亮(ウイガン)、MF大津祐樹(デュッセルドルフ)を招集しても、らちはあくまい。ということは、現在のレギュラー以外に選択肢がなく、人材的には手詰まりだ。ブラジルW杯に彗星のごとく現れる若手がいないとなると、日本代表にこれ以上期待することは困難だろう。
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