lucky seventh
DiaryINDEX|past|will
2004年12月09日(木) |
人形と私(ワタクシ) ワールドアナザ−ノックトリップ(略してWantシリーズ)) |
目をあけると、そこは知らない風景
あぁ、ここはどこ?
適当にひとつにまとめた、髪の毛がぱらぱらと落ちる。 着古したタートルネックは袖のほうがほつれて、 太ももの長さの黒いベロアのスカートからはだふだふとした ジャージがのぞく、その姿はまさに部屋着のまんま。 そんなかっこうで気がつけば、見知らぬ地にいた。 屋外なのに何故か部屋着のまま。 しかも、足下はスリッパで。
「どこやねん。」
あまりの驚きに、力のぬけたような声しかでなかった。
西暦20××年、二十歳の式を迎える目前に何故だか分からないが、 目をひらくとそこは不思議の国でした。
戸籍もなにもないって言うのにどうしろって言うんですか? どこぞの誰か知らないが、アフターケアってことば知ってますか?
「ふふ」
こぼれるの自棄っぱちな声音。 かさかさに渇いた唇、リップも何もつけていないから 切れてそこからほんのりと血の香りと味がする。
(あぁ、なんてリアルな夢なんだろう…。)
眼前に広がる光景は、よくテレビで見たアフリカのサバンナのような風景、 風がザアァァ−っと吹くと、さらされた黄土の大地が流れる。 申し分程度に、生えた草木はどこか色褪せていて。
(ここは一体、何所なんだろう?)
ほんの少し、冷静になった頭で考えてみた。 目をこらして見ても、もとからの視力の弱い目で、 しかも眼鏡のその目に写る景色は、悪化したせいで遠くがぼやけて見える。
仕方なく、もう一度冷静に今度は近くを見渡した。 右を見ても、左を見ても、同じような景色が続いているだけ。
「日本じゃない…?」
冷静を通り過ぎて、フリーズした。 冷やし過ぎた思考に頭をやられ、首を振っては見るが、 血の気のぬけた顔色は戻るどころかさらに青白くなっていく。
「ふふふふ…」
(きっと、気付かぬ間に世界の反対側に飛んでいくなんて…)
ガクっと下を向くとその拍子に髪がばさばさと落ち、 眼鏡がガシャンと音をたてて地面に激突した。
「ふふ…」
なおも、こぼれる笑いは止まらない。 精神的なショックに黄昏れて立ち尽していると、 ふいに誰かに呼ばれた気がした。 はっとして顔をあげると、目線ナナメ45度の距離に 今朝も抱きしめて眠っていた愛用の人形が2匹何故かそこに居た。
ナナナ
|