lucky seventh
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2005年05月14日(土) 年下の男の子

正直なことは美徳だと、思う。

最近の世の中は嘘つきが多いし、
むしろ人間関係を円滑に築きたいならば多少は偽ってなんぼだし。

そりゃね、誰だって本音で言える人は貴重だと思うよ。
そういう人がいれば、嬉しいし、楽しいしそういった側面もあると思う。
あくまでも思うよ。
正直その矛先が自分に向いたら、気が気じゃないし。

要するに…
だからといってね、正直すきるのもどうかと思うわけよ?アタシは。













年下の男の子
 1.隣の家の男の子は猟奇的!?それは脅しですか?脅迫ですか??














「殺したいほど、貴女が好きです。」

告白された。
なんだかとてもつもなく物騒で不穏な言葉が混ざっているのは気のせいか?
頬を染めて、はにかみながらそう言った少年は文句なしに可愛かった。
が、しかし。
世の中は物騒だ。
お隣さんが、実はストーカーだったなんて誰も気づくまい。
アタシも今の今まで気づかなかったよ…。

(せっかく可愛いのに勿体ない…)

その時、アタシは紛れもないこの不足の自体に
そんなアホなことしか考えられなかった。


意識が彼方に飛んでいる。
そう、人はそれを現実逃避と言う。










「お疲れ様です。」

笑っているはずの笑顔が引きつる。
今日はいつもの倍以上に疲れた。
ロッカーから鞄を取り出す腕が妙に重くも感じる。
今朝の恐ろしい脅迫、もとい愛の告白劇が仕事の合間も頭から離れなかった。
あれから一日経とうとするのに引いた血の気は戻ってこない。
いつもはしない凡ミスをして、周囲にも迷惑をかけてしまい猛烈に反省した。

「はぁ〜」
(公私混同はしないはずだったのにね…)

生まれて初めて生のストーカー(自分を狙う)をエンカウントしてしまった。
自分でも気づかなかったが、衝撃は予想以上のものだった。
ただでさえ愛想がよいと言えない顔(サービス業では致命的)なのに
今日は笑顔っぽいものしか浮かべられなかった。
最後のほうには筋肉疲労で盛大に頬が引きつっていた。
今も、笑おうとするだけで頬が引きつる。

(明日、筋肉痛になったらどうしようか…)

うふふ。薄ら笑いを浮かべて内心かなり自棄になっている。
なんせ、明日のためには家に帰らなくてならないからだ。
隣の家にはストーカーが居るというのに、帰る…
アタシはそんなチャレンジャー精神は自慢じゃないが、ナイ。


「か、帰りたくない…」


ついつい声に出た呟きに、ふっと笑い。
アタシは怪しい笑みを浮かべ、夜の街にくりだした。
このとき、自分が大人であることに感謝したことはないだろう。


「こっからここまでの全部で。」

ふいに見つけたイイ感じのお店に入り、そこまで言って、
アタシの記憶は気がつけば、途切れていた。


恐るべし、酒の力!


ナナナ

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