lucky seventh
DiaryINDEXpastwill


2005年07月10日(日) 閉塞シェルター

「罪悪感って感じたりしないの?」

ふいに少女は舐めていたチュッパチャップスを口からだして、聞いた。
目を向けると、日がじりじりとあたる階段に座りながら、
数秒前までは大人しくじっと地面で蠢く蟻を見ていたはずなのに、こちらの方を見ていた。
厭きたのだろうか?
今度は何だか自分が観察されているような感じがして、
その視線が妙に嫌だった。

半ば、無視するように顔を背けると少女はもう一度言ってきた。

「罪悪感って感じたりしないの?」

にごった瞳が細められるのを感じた。
見なくたって分かる、少女はいつでも笑い、同じようにしか笑わないから。

そして俺は、この少女の死んだ目と、作り物めいた笑いが何よりも気持ちが悪かった。













:閉塞シェルター












罪悪感ってナンだろう?
そもそも人間は生まれながらにして世界という存在に対して、
後ろめたさというものを感じているんじゃないかと思っている。
俺たちはこの世界に不要だ。
なぜなら、俺たちはこの世界を壊すことしかできないからだ。

かの人は言っていた。
人は生まれながらに悪であると、
たゆみない努力と修養によって善の状態に達することができると。

ならばきっと、俺は悪のままでいい。
そしていつかきっと、善と言うものが存在するのならば滅されるのだ。

それでいい。
壊す前にぜひ滅ぼしてくれ。





暗い帳の中で、そこにはいつの間にか人が集まっていた。
集めたわけでもない、ただひっそりと噂だけが歩いていき、
それに心惹かれた人々が集まってきた。

曰く、
ここは夢なのだそうだ。

何をしてもいい。無法地帯。
ただし、いつか覚めることを忘れられない。
そんな場所。


「ねぇ、暇してる?」

ナンパのような台詞にビクッと肩を震わせ振り向くと、
からかうように笑う、馴染みの顔が笑っていた。

「リアか…」

安心したように呟くと、
リアはいつのもように隣の席に腰をかけると
ニィーっと楽しそうに唇を吊り上げ、肩をこのこのーっとドツイてきた。

「聞いたぞー聞いたぞぉー♪」

「なんだよ?」

その言葉に嫌な予感がしつつ、ついつい聞いてしまった。
すると、待ってましたとばかりにリアは言った。


ナナナ

My追加