lucky seventh
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2005年10月18日(火) 紅い蝶〜。○

ねぇ?

どうして?


言葉なんていらないね、だって 思いだけでキミに伝わる。













紅い蝶







「なんてコトだ…これは呪詛だ。」
幾人もの人に囲まれたその真ん中に、1人の年端もいかない女が寝かされている。
血の気の引いた顔に、ぎゅっと閉じられた瞳と荒い息が表情を作る。
女の手によって皺になった布団、その力の強さが恐ろしいほどの呪力によって
なされた呪いだと物語る。
普通の者だったら命がなくなってもおかしくはない。
だが、女はまだ生きていた。
神気も持たぬ筈なのに。

「この状態は異常です。」
苦い顔をしたのは陰陽師見習いの男だった。
「この娘には何かありますね。」
確信を抱いて言う男に、周囲の者は息を呑んだ。

敵か見方か。

見方ならばいい、しかし敵ならば生かしておく訳にはいかない。
今は不安定な情勢だ。
いつどこから間者送られてくるかわからない。

生かすか、殺すか。

沈黙が辺りを支配した。
「見捨てると言うのか?」
ぼそりと男は言った。
「やむおえん」
静かな空間に女の荒い息だけが響く。
「しかし!」
「仕方ないじゃないですか」


はらり
はらりと蝶が舞った。


「紅い蝶?」
女の周りに寄り添うように紅い蝶がいつのまにか居た。
するとどうだろう。
「  ?」
微かに目を開いた女が人の名を読んだではないか。
かなり意識が混濁していたはずなのに、確かに女は誰かの名をよんだ。
切なそうに笑いながら。
「  」

手を伸ばし、呼んだ。












守るから、キミだけを。

そう言って、キミはいつも傍に居るんだね。


ナナナ

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