lucky seventh
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2005年11月02日(水) 君が いた。

あの日、ふりかえれば空は真っ赤な茜色だった。

見たこともないようなグラデーションは、

いっこく、いっこくと流れては、淡い紫の帯を 深い藍のリボンを

広げては、折り 流しては、引き戻すかのようで、目を奪われた。











○君が いた。○














ただ立っていた。
立ち尽くしていた。
お腹が減ったから、ちょっとそこまでと思ってコンビニ行こうとしていた。
上だけは部屋着のままで下だけジーンズに履き替えて、サンダルで財布だけ持って。

お腹が減った。
空腹で、どうしようもなく飢えていた。

いつものことだ。


「何、食べようかな。」

仄かに笑むその笑顔は、きっと他人から見たら薄ら笑いにしか見えないだろう。
そんなことをぼんやりと考えた。

いつもお腹が減っている。
けど、コンビニに言って商品が陳列されているのを見ると、
とたんにそれが遠のいていく。
何も食べたくない。
何もいれたくなく。

だから、今考える。


「何、しよっか?」

取りとめもなく、取り合えず。




飽食の時代。
それだけがこの世に生まれて、
ここに生まれたことへの最大の 至上の幸福。


なんて容易く、難しく、
そして、贅沢な幸福なのだろう。







食べれるものはありますか?
どれだけ食べて、どれだけ捨てる?
つりあいはいつも片方へ
あぁ、あぁ、世界はなんて なんて



















「ねぇ、茜。
 僕たちはどうして、こんなにも理不尽で不条理で
 それでも、美しいと世界を思ってしまうんだろうね?」


君は いた。
君は いない。

君が いた。
君が いない。

私はドコ?










あの日、ふりかえれば空は真っ赤な茜色だった。

見たこともないようなグラデーションは、

いっこく、いっこくと流れては、淡い紫の帯を 深い藍のリボンを

広げては、折り 流しては、引き戻すかのようで、目を奪われた。













見上げた、空の端っこに君がいればいい。
コンビニへ、歩く私を君がそこから見ていてくれたのなら、
私は、きっとそれだけでお腹がいっぱいになれるから。

どうかこの、飢えを
君のまなざしで、
君が溶けた大地で、満たしてください。


ナナナ

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