lucky seventh
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2006年10月13日(金) 上手なAKUMAの作り方。

この腕に抱く、彼女がもう
僕には生きているか、死んでいるのかさえ分からない。





















僕たちはもとは1人だった。
けれど、今生では間違えて二人に生まれてきてしまった。
だから本来持って生まれるはずの力もなく、
また生まれてきた場所が悪かった
古式ゆかしい一族の家であったがために
双子は不吉とされ、僕らは捨てられた。

まだ冬だった。
頭上からは天使の羽のような真白の雪が
薄いうぶ気に包まれたまだ赤子であった僕らの体温を
否応なしに奪っていった。
死ぬんだと思った。
この白い世界に、降とされて
小さな籠の中で身を寄せ合っていても
徐々に冷たくなってゆく身体に、なすすべもなく
己でどうにかしようにも意思に反して、幼い身体は動かない。
何て、不便な身体なのだろう。
間違って二人に生まれてきてしまったばっかりに
力を扱うバランスが崩れてしまっている。
死に対して恐怖などない。
ただ次生まれ変わった時、僕らはちゃんと僕になれればいいとだけ思った。


((あぁ、ツイてない。))


ナナナ

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