lucky seventh
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「ミーア?」 カラン
手から零れ落ちた剣、 崩れ落ちゆく 見慣れた少女。
「ミーア?」
咄嗟に抱きとめた少女の瞳は、何も映さず、 半開きの口からはだらりと真新しい血が流れ落ちた。
「ミーア!!!ミーア!!!!」
ゆする身体からは力が抜けて、 まるで
「彼女はもう、死んでいます。」
「死んでるってどういうことだよ!!!!?」
突然、ふってわいた言葉に彼が叫んだ。 死神と呼ばれながら、僕を救った人。 その声にはビリビリとした怒気が含まれてたけれど、 怒鳴られた 少女 は顔色一つ変えず、 ただ、言葉を紡ぐ。
「文字通り死んでいると申したのです。」
ふっと、視線を僕の腕の中にいる彼女に向けて ほんの刹那、普通なら見逃してしまいそうな瞬間だけ 少女の瞳が動いた。 そして、じっと彼女を抱きしめる僕を見つめ 口を開いた。 それはまるで僕に語りかけるかのように、
「彼女の身体はとうの昔に焼かれました。 ここにあるのは彼女の記憶<メモリー>、 行く場所もなく帰る場所もない ここでしか存在できない記憶<データ>」
私は知っているのです。
少女は今度は誰に聞かせるでもなく、囁く。
彼女は始めから、こうすると決めていたことを。
そう言えば、じっさい、さいごにキミに会ったのはいつだったけ? 思い出せない。 腕の中のキミを見つめ、 僕は、呆然とした思考の中で考える。 そして愕然とした。 あんなに一緒だったはずなのに、いつの間にか僕は キミが当たり前のように側にいたことを忘却していたことを。 あの夏の日、僕を外へと連れ出したキミ。 あの日からキミは、僕の側に居た。 ただ寄り添うように、側にいた。 行動で示したことはたった一度のあの夏の日だけ、 自然と一緒にいることが多かった。 それ以上に言葉で語ったことは圧倒的に少なく、 けれそ、そうだ。 あの日、あぁきっと… さいごに会ったあの日、 さいごのさいごのあの日、 笑って好きだよと言った彼女の真意はコレ だったのか…。
あの時、僕が彼女に何か言えば この未来は変わっていたのだろうか?
失って はじめて、僕は キミがいないことに気が付いた。
ナナナ
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