lucky seventh
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2007年01月25日(木) 自己犠牲。

「ミーア?」
カラン

手から零れ落ちた剣、
崩れ落ちゆく 見慣れた少女。


「ミーア?」

咄嗟に抱きとめた少女の瞳は、何も映さず、
半開きの口からはだらりと真新しい血が流れ落ちた。

「ミーア!!!ミーア!!!!」


ゆする身体からは力が抜けて、
まるで


「彼女はもう、死んでいます。」








「死んでるってどういうことだよ!!!!?」

突然、ふってわいた言葉に彼が叫んだ。
死神と呼ばれながら、僕を救った人。
その声にはビリビリとした怒気が含まれてたけれど、
怒鳴られた 少女 は顔色一つ変えず、
ただ、言葉を紡ぐ。

「文字通り死んでいると申したのです。」

ふっと、視線を僕の腕の中にいる彼女に向けて
ほんの刹那、普通なら見逃してしまいそうな瞬間だけ
少女の瞳が動いた。
そして、じっと彼女を抱きしめる僕を見つめ 口を開いた。
それはまるで僕に語りかけるかのように、

「彼女の身体はとうの昔に焼かれました。
 ここにあるのは彼女の記憶<メモリー>、
 行く場所もなく帰る場所もない
 ここでしか存在できない記憶<データ>」


私は知っているのです。

少女は今度は誰に聞かせるでもなく、囁く。














彼女は始めから、こうすると決めていたことを。



そう言えば、じっさい、さいごにキミに会ったのはいつだったけ?
思い出せない。
腕の中のキミを見つめ、
僕は、呆然とした思考の中で考える。
そして愕然とした。
あんなに一緒だったはずなのに、いつの間にか僕は
キミが当たり前のように側にいたことを忘却していたことを。
あの夏の日、僕を外へと連れ出したキミ。
あの日からキミは、僕の側に居た。
ただ寄り添うように、側にいた。
行動で示したことはたった一度のあの夏の日だけ、
自然と一緒にいることが多かった。
それ以上に言葉で語ったことは圧倒的に少なく、
けれそ、そうだ。
あの日、あぁきっと…
さいごに会ったあの日、
さいごのさいごのあの日、
笑って好きだよと言った彼女の真意はコレ だったのか…。

あの時、僕が彼女に何か言えば
この未来は変わっていたのだろうか?

失って
はじめて、僕は
    キミがいないことに気が付いた。


ナナナ

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