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女心(その二) - 2002年03月24日(日) 前回登場した、僕の後輩女性社員のケースだが、あっさり夫を断罪したことに驚きはしたが、よく考えてみればそう不可解な行動ではなかった。 彼女は会社に入って3年目くらいにその男と職場結婚したのだが、もう完全な「拝み倒し結婚」だったようなのだ。 もちろん、彼が彼女に「結婚してくれ」と拝み倒したってことだ。 噂によれば、土下座をしたとか、地べたにころがって「僕と結婚してくれなかったら、死ぬ」とまでいったとか。 まあ、そのくらい、一方的に「お願い」されたことに彼女も悪い気はしなかったらしく、彼と結婚することになる。 彼女の男性の好みは決して夫(わりとデブ)のようなタイプではなかったようなのだが。 しばらくは、彼も彼女のことを崇め奉っていたようで、夫婦仲にも問題はなかったようなのだが、5年目くらいから、すきま風が吹き始める。 それまで。社内での課外活動的なことはほとんどしていなかった彼女だったが、労働組合の役員をやることになり、定時終了後もまっすぐ帰宅することが少なくなり、他の部署の先輩社員と食事をしたり飲んだりする機会が多くなる。 そうすると、夫が実はさほど仕事が出来るわけでもないことが、だんだん見えてくる。 夫もそういう妻の変化に、少しイライラするようになる。夜遅く家に帰っても、妻がまだ帰宅していない、なんて事態にたびたび直面することになる。 次第に、夫も「少しくらい浮気したって大丈夫だろ」という考え方をするようになる。 そんなところに、妙にコケティッシュな後輩女性社員が登場。お膳立ては揃う。 その女性は、別にその(太った)夫がタイプというわけではない。 ひとのもの(夫)をかすめ取ることに、快感を覚えるような、そういう「小悪魔」タイプだったのである。相手なんて、既婚者であれば、たいていOK。 モテるタイプではない夫なのに、たまたまついた相手が悪かった。 「もしかして、オレってけっこうイケてるかも?」と勘違いをしてしまったわけである。 ふたりは坂道を転げ落ちるように、禁断の快楽におぼれていく。 狭い社内のこと、ふたりの道ならぬ関係はすぐ噂となり、妻の耳にもほどなく届く。 妻としては、いたくプライドを傷つけられたはずである。 なにせ夫は、一生自分の奴隷となっても構わないと言っていた男である。 飼い犬に手を噛まれたとはこのことだろう。 ためらうことなく、彼女は夫に離婚、そしてそれなりの償いを要求した。 もし、彼が魅力的なタイプの男で、彼女のほうが結婚を望んでいたのなら、おそらくふたりの結婚は現在も続いていたのではないかと思う。 しかし、彼女の奴隷となりそのプライドを満たしてやることぐらいしか取柄のない男は、ただの一度の背信だって許されはしないのである。 教訓:「奴隷は死ぬまで自由を主張してはいけない」 ...
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