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女心(その三) - 2002年03月25日(月) その後の彼女の話である。 離婚してからの彼女は、男性にモテないわけではないのに、もう二度と結婚する気がないふうであった。 周囲のおじさん社員連中の中には、「彼女と結婚できるなら女房と別れたっていい」なんて言う輩もいたが、ま、そういうヤツに限って、いっこうに奥さんと別れられないものである。 だが一度だけ、「もしかしたら、彼女、再婚するのでは?」と思われるような出来事があった。 彼女とわりあい親しい先輩男性社員が、あるとき急に奥さんと子供を残して家を出てしまい、結局離婚したということがあったのである。 その話を聞いて、くだんの「女房と別れてでも…」と言っていた男などは、「ふたりは一緒になるに違いない!!」と嫉妬のあまり、声をふるわせていたものだ。 しかし、実際には、彼らは再婚しなかった。 (ニアミス的なことは、あったようなのだが。) 結局、彼女は「自分から相手に対して求愛するタイプ」ではないのである。 相手がまず自分に対して告白してくれないことには、始まらない、そういうことだ。 かつての夫は、決して好みのタイプではなかったが、恥も外聞もなく、自分のことを好きだと言ってくれた。だから、彼女は結婚したとも言える。 相手の男が、用心深く彼女の気持ちにさぐりを入れるようなタイプ(その男性はそういうタイプだった)だと、恋もなかかなか前に進まないのだ。 さて、その後も彼女は、独身を続けている。 とはいえ、「男性を紹介して」などと周囲に言うことも、ないわけではない。 実際、僕もそういう依頼を受けたことがあり、一度だけ実行に移した。 そのときは、自分の知り合い・友人の中では、一番まともと思われる男性を引き合わせたつもりだった。 しかし、彼女の答は「NO」だった。 これには僕としても当惑してしまった。 一流大卒、一流企業勤務、長身で顔立ちもまあまあ、離婚歴とかもなく、性格も悪くない男を選んで紹介しただけに、次のタマがなかった。 それ以来、紹介することはやめにしてしまった。 たぶん、彼女は、どんないい男を引き合わせても、首をタテにふらないような気がするのである。 根拠などない。過去の例からの推測である。 彼女のヴェールにつつまれた「女心」を、本当に見たことがあるのは、おそらく別れた夫ひとりだけだろう。 僕などには、到底わかるすべもない(笑)。 ...
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