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女心(その五) - 2002年03月27日(水) 昨日の話の続き。 何年かぶりに会った彼女が言うには、「しばらく会っていない間に、わたしの身辺に変化が起こったので、当ててみて」だと。 「もしかして、結婚したの?」と聞くと「ううん、違う」と言う。 「じゃあ、養子にでもなったの?」と聞くと、「違うけど、そちらの方が近いかも」と言う。ええっ!? 子供が出来たのか…とも一瞬思ったが、あまりに信じられないことなので、とても言えなかった。 答えるのをギブアップしたら、やはり、こう教えてくれた。 「ワタシ、子供を産んだの」 つまり彼女は、シングルマザーになったということなのである。 で、さらに事情を聞いていくと、相手は独身男性ではないそうなのだ。 彼女は短い期間、その妻子ある男性と付き合い、別れたのだそうだ。 そして妊娠しているのに気づき、彼には伝えることなく、そのまま産む決意をしたのである。 しばらく、僕は呆然としていた。 「いやー、勇気あったねー」と言うのがせいぜいだった。 ちゃんと自活出来ていて、しかも、自ら託児業という仕事をやっていたことが幸いして、彼女はシングルマザーとしてやっていけるのだろうが、それにしても、誰にでも真似の出来ることではない。 その男性に「認知」等一切請求していない潔さにも、感心した。 が、向こうの家は、その事実を敏感に察知して、あれこれ言って来たのだそうだ。 つまり「一切、生まれた子供の、うちの財産相続の権利を主張しないで欲しい」みたいなことを言って来たとか。 これには、彼女も頭に来たらしい。 「こちらは認知だって要求していないのに、どういう言い草!」 ってことだ。 彼女がその娘の写真を見せてくれた。 「なんだか●●さん(僕のこと)に顔が似ていると思うの」 だって。 (もちろん、僕の子供ではないからね。念のため。) 確かに、以前はタレントもどきのような仕事をしたこともある彼女を母親に持つだけあって、可愛い顔立ちだった。 芸能界にデビューさせてもいいじゃないか、というくらい。 現在の彼女は、生きるエネルギーを、その娘からもらっているのだな、と思った。 しかし、そういう話を聞く僕にも、少し複雑な思いはあった。 (この話はまだまだ続くので、明日また。) ...
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