まーくん的日常...まーくん

 

 

パラサイトなK君の場合 - 2002年04月20日(土)

K君は今年39才になる独身男性である。
彼はいまだに両親と一緒に暮している、いわゆる「パラサイト・シングル」。
彼にはいつも付き合っている女性がいるのに、いまだに結婚できない。

K君の見てくれは「並の中」といったところ。
TMネットワークのメンバー、一番ルックスの●●な木根尚登にわりと似ている。
背は平均より少し高いくらい。
中肉だが、おなかが出やすい体質のようなので、ときどきダイエットに励んでいる。
学歴としては横浜国立大の経済を出ている。
年収は、同学の連中とくらべても、たぶんトップクラスに入るだろう。もちろん、大台(一千万)は越えている。
趣味はドライブ。ポルシェとかに乗っているらしい。
ご両親はふたりとも、教育者。けっこう、真面目な家庭に育ったのである。

普通、この程度カードが揃っていれば、簡単に結婚くらい出来そうなものだが、彼の場合、ちょっと女性の好みに問題があるのだ。
彼いわく、「ぼくは(彼の場合、ほとんどオレとはいわない)ちょっと変わった子でないとダメなんですよー」。
この「変わった子」というのは、オタク系とかやおい系とかそっち方面の「変わった子」ということではない。
言い換えるなら、「トッポい子」が好き。
つまり、元ヤンキーみたいな、化粧もカッコも、派手というかケバい女性が好き。
尻が軽くて、遊び好き、ノリだけはいい、なんてのがサイコー。
知性的な感じの、まじめでおとなしい子はノーサンキューということなのだ。

たまに周囲の人間が、まじめで感じのいい女性を紹介しようとしても、話を断ってしまう。
見合いとかの話も結構来るそうなのだが、一切受けない。
で、ナンパやら合コンやら、そういう軽い知り合い方でひっかけた女性とばかり付き合っている。

土日にはほとんど家にいようとせず、ドライブばかりしている。
親と同居しているくせに、家事の手伝いなんか、絶対しない。
だから、彼の食事等の世話はいまだに母親がやっている。

彼には数才下の弟がひとりいて、そちらはとうの昔に結婚、子供もいる。
弟は国立大を出た歯科医である。
彼は、実は、弟に大いにコンプレックスを感じつつ、育って来た。
勉強はもちろん、弟のほうがよく出来た。
K君はもともと「マンモス大学」として有名な某私立大の付属高校に通っていてた。
そこはいわゆるヤンキー、不良が多く、彼もそういうひとりであった。
大学もそのまま上にあがったのだが、遊びすぎて単位が足りず、下手すると除籍処分か?というところまでいってしまったらしい。
ここで、一か八か、伸るか反るかとばかり、横浜国大を受験し直す。
本来の彼の実力ではとても入れそうになかったのに、ラッキーにもヤマが当たって、合格。
これでやっとカッコがついたということである。

就職のほうも、大学に対する信頼度に助けられ、お調子者の性格がいいほうに作用して(バブル全盛期で求人が多かったこともあるな)、面接ではわりと好感度が高く、高収入の仕事に着く。
しかし、仕事ぶりは、これまでの人生で推測できるように、「手抜き」そのもの。
おまけに、ろくに本を読んでないのがバレバレで、後輩からも内心バカにされる始末。
それでも、虚勢を張って、「ぼくは横国も出ているし、バカじゃない」と口をとがらせるさまは、「ガキっぽい」の一語であった。

そんな彼も、社会人になって、早十三年。
「手抜き」と「お調子」だけの仕事ぶりは相変わらずだが、いまさら四十近い人間に何を言っても変わるめえと、周囲も意見するのをあきらめて、見放している状態。

結局、彼が頭の悪そうな女性ばかり追いかけているのは、頭のいい女性だったら自分の頭の悪さを見透かされるんじゃないかという「コンプレックス」から来ているのは、間違いないだろう。
でも、頭や家庭環境の悪い女性などと、結婚なんかしたってロクなことはない。
教養のあるキミのご両親と、そんな元ヤンの嫁が合うわけもないだろ。

真面目な家庭に育っただけに、本来のK君はおひとよしで、優しく、結構愛すべき性格だと思うのだが、ただ一点、「くだらない虚勢を張る」姿勢のために、台無しになっている。
早く「おのれ」を知って、自分が愚かであることを素直に認めたほうがいい。
そうすれば、おのずと、仕事でも恋愛でも、道が開けてくるはずだ。

そうはいっても、四十近い人間が、いまさら変わりようもないか(溜息)。
バカなのに、妙にプライドの高い人間、これが一番度しがたい。


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