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・identity.1 「わしはいくつなんだ?」とご老体に尋ねられる。私にも分かりません、残念ながら。しかし、あと40年もすれば私だって同じようなことを人に聞いていそうな気がするので、全く他人事ではない。 ・identity.2 「あんたは平成生まれか?」と(同じく)ご老体に質問される。いえいえ、昭和が平成に変わったあの時、私はしっかりテレビにかじりついて見届けておりました、よ。 ・identity.3 苗字と名前の頭文字が自分と同じ人を見つける度に、ヘボン式では特殊な綴り方をするためにイニシャルトークが用を成さない(つまりは充分に個人特定されてしまう)些かの不便さをこの誰かも共有しているのだ、と思う。 ・identity.4 天保山にあるサントリーミュージアムが休館するそうですね。実は一度しか行ったことはないのですが、もっと近くにあればあの企画もこの特別展も見に行ったのに……! とアート脳を小気味よく刺激される美術館だっただけに、非常に惜しいことだと思っています。とそれに、併設のレストランで食べた、潔く酸味の強いトマトスープのフォーが美味しかった……と、結局は食い気に走ってしまうのが今ひとつですが、しかし胃袋の記憶も大切な私の一部であります。 ・identity.5 好きになった場所には、まるでマーキングでもするかのように自分の欠片を置いてきてしまう……ような感覚がある。また戻ってくることができるように。いや、戻って来ざるを得ないように。もう二度とその場を訪ねることができないならば、置き去りにされた「私の欠片」は一体どうなってしまうのだろう。 ![]() ![]() ![]() ![]() |