英国留学生活

2002年09月14日(土) アイスランドで市民プール

朝、いきなり首都レイキャビク行きのバスに乗り遅れる。
(時刻表を知らなかった)次は、3時間後。
他の交通機関はタクシーを呼ぶしかないらしい。
というか、電車は通ってないらしい、この国。

しかも、手持ちの現金ではレイキャビクまでたどり着けない。
町からホテルが遠いのは承知していたけど、こんなに交通手段が無いとは。
友人と二人、行き当たりばったり感を遺憾なく発揮して、とりあえず歩く。
霧とも雨ともつかない天気。気温は4度。
さすがに英国と比べても格段に寒い。
適当に歩いて、中心部まで連れて行ってもらって降りる。

ここが・・・中心部?今日は確か土曜日の筈。
でも人通りが極めて少ない。人口からするとこんなもの?
ツーリスト・インフォメーションで、パンフレットを収拾。
国立博物館でサーガ(指輪物語に影響を与えた物)も見たいし、
アウイバイル野外民族博物館で再現された古い農家や教会も見たい。
だが、結構どこも遠く散らばっている。
結局、レイキャビック最大のレジャー施設
ロイガルダールル温泉プールとやらへ午後に行くことに決定。

午前中は、街中をぷらぷらした。
宝飾店が多く、自然をモチーフにしたような
(白樺の樹皮とか木の葉とか)アクセサリーが多くて、とても可愛い。
色々欲しくなったが、特に心惹かれたのが、This is the one ring.
あー、なんか似ているのがあるなーとショーウィンドーを眺めていたら、
本当にエルフ文字が書かれていた・・・。
あの詩をアレンジして、ラブリングにしていたのだけど。
One Ring to bind us, One Ring to show our love,
One Ring to bring us and entwine us ・・・とか、だったと思う、
うろ覚えだけど。
ほしーなーと思って、お店でしばし悩んでいたが、
友人に「ラブリングを自分で自分に買うわけ?」と
氷点下の冷たさで言い放たれて、諦めた。
しょうがない、英国で指輪物語ゴブレットセットを買うか。
(真鍮製のワイングラスやショットグラスで、丸彫りされた
ケレボルンやガラドリエルの顔がそれはそれは、恐ろしいのである。)

殆ど全てのものを輸入に頼っているため、アイスランドは物価が高い。
ホテルやレストランといった、観光産業絡みだけでなく、
スーパーでちょっと買い物したが、世界有数の物価高のロンドンや
東京と比べても、取り立てて安く感じなかった。

お昼に、サーモンのオープンサンドをたっぷり食べて、
前述のレジャー施設へ、行ったら市民プールだった。
いや、面白かったけどね。
なんだか、 "いやー、生東洋人見るの初めて"的な、
視線に晒された気がする。
ええそうですよ。「Strangers from distant land」ですよ。

夕食は、中心部に戻ってきて、
以前から友人と二人食べたがっていたゲーム(狩猟料理)を食べる。
おいしかった・・・。
野生の肉をブルーベリーソースで味付けしたものだけど、
特に珍しかったのは、Puffin、多分この国の象徴的な鳥。
この極北の地で貴重な蛋白源なのではないかと思う。
ちょっとドードーに似てないか?
英国でも以前は盛んだったらしい。
英国人の知人曰く、「昔はね、英国にもおいしい料理があったんだよ」
「石のお金が使われてた頃の話?」
「い、いや。ゲームっていって野鳥や野生の動物を
手の込んだ方法で調理したんだ。
でも、そのレシピは殆ど失われてしまってね。」
伝統と歴史を重んじるなら、何故そういうものをこそ、大切に伝えないのだ。
バターも濃くておいしかったし、
デザートの温かいチョコレートケーキも絶品だった。

帰り道のごたごたは割愛。


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