英国留学生活

2002年11月07日(木) エスキモーとか、インディアンとか。

今日は、Museum Societyのイベントで、オックスフォードへ
行ってきた。
大学のソサエティは大別して3種類に分けられると思う。
学部に属するものと、それぞれのナショナリティーのもの、
そして、趣味のもの。
Museum Studies Societyは勿論、学部に属するもので、
多分大概の学生は、所属している。
以前レスターの博物館のレクチャーに団体で参加したが、
今回は遠足。

オックスフォードとは、妙に相性がいいらしく、
今回を入れて4回目の訪問だが、いつも晴れている。
そのためもあるだろうが、このゴシック建築を基調とした街が、
私はとても好きだ。

参加者は、殆どが外国人学生だった。
ネイティブは別に参加しなくてもいいや、と思うのだろうか。
メンバーの一人が、英国最古といわれるアシュモリアン博物館で、
以前ボランティアをやっていたということで、
そこのMuseum Educatorに話を聞く。
コレクションは多岐にわたっているが、
最初期のコレクションの部屋は、いかにも異国趣味という感じだ。
私はギリシャ彫刻の間とミケランジェロの素描が好きだ。
墓石のギリシャ語をギリシャ人が読んでくれる。多国籍って便利。
エジプトのコレクションでは、神殿が丸ごと展示されていて、
いかにも根こそぎかっぱらってきましたという感じだ。
地方都市の博物館に少なからずミイラが展示されていて、
一体どれほど、エジプトから取ってきたのか、想像もつかない。

お昼に、以前ここで勉強していた人に教わった、
ターフ・タバーンというパブで日本人学生とお昼を食べる。
今日のお勧め・チキンとベーコンのパイ。
パイ生地が結構おいしかったけど、中身のクリームソースは、
ちょっとくどい。でもこのパブは総体的においしいと思う。
裏道を入っていくような、雰囲気も好き。
そのクラスメートが、デレク・ジャーマンの元実家が、
ドーバーの側にあって、現在公開されているといっていた。
行きたいらしい。・・・行くのならば、付いて行くのは吝かではない。
(←行きたいらしい。)
食後。側のおじいさんに「その食事、美味しかったですかね?」
と聞かれて、曖昧に笑う。
「あなた!行きますよ、ほんとによっぱらって。」
とおばあさんに、引きずられていく様が微笑ましい。

午後は、ピット・リバース博物館へ。
自然史博物館と一体化している。
建築的にロンドンの自然史博物館と似通った建物を抜けて、
ピット・リバースへ抜ける。
3階吹き抜けで、入って正面にトーテムポールが。
昔の民博のようだ。国別ではなく、目的種別で括られて、
みっちり展示されている。(お守りとか、火事とか)
鯨の牙を連ねた首飾りとか、でっかい石斧とかを見て興奮する連れ。
・・・貴女が、カーンとチラベルトが好きな訳がわかった気がする。
日本の展示物もかなりある、能面とか根付とか。
ほんとにこの国の人、根付好きだなー。
古いタイプの展示であることは確かだが、面白い。
色々な文化を取り混ぜて、ある意味無邪気に展示しているのは、
興味をそそる。
ただ、いまだに、「エスキモー」「インディアン」
という表記はどうかと思う。

ミュージアム・ショップで、日本展示の小冊子を買う。
帰りのバスの中でそれをみせたら、考えることは同じらしく、
カナダ人のクラスメートは、カナダ・”エスキモー”のを買っていた。
なんで、そんな話になったのかは忘れたけど、
国旗の話になって、日本では国旗を良く使うか、と聞かれたので、
使わない、第2次世界大戦を想起させて、アジアの人は良く思わないし、
とか、説明をしていたら、
「旗のデザインを変えられないのかい?僕の国(カナダ)の国旗は
新しいものだよ。前は英国植民地だってことがはっきりわかるもの
だったから、僕達は変えたかったんだ。」
ちょっと、新しい視点を教えられた気がした。


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