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2003年01月20日(月) スロー・グッドバイ(BGM:ガッツだぜ! ウルフルズ)

石田衣良の「スロー・グッドバイ」(集英社)を読みました。

彼の作品は、「娼年」「うつくしい子ども」に続き3冊目。

今まで読んだ2冊に比べて、爽やかさがあふれています。
「この人、こんな清々しいストーリーも書けたんだぁ」と、いうのが素直な感想でした。

どこにでもいそうな30歳前後の男女が織りなす、ごく日常的な出来事。

例えばインターネット・カフェで出会った、男女。
「私は醜い」という単語登録をしている`アヒルの子’と名乗る女のことが、気になってしょうがない男。
その二人がオフ会で出会う・・。
流行を巧に取り入れながら、古風な恋愛が展開されていきます。

例えば「『ローマの休日』を私とご一緒にどうですか?」と、掲示板の書き込みで出会う二人・・。

パソコンをしていないとわからないんじゃ・・、という短編もあって「こういうことがパソコンでできるんだぁ〜」と、きっかけ本としてもいいかも。

既婚の男女の話はなく、ちょっとがっかりでした。
あぁ、若いっていいよねぇ・・と、唇をかみしめるばかり。
あくまでも「青春小説」なのです。

この人がもっと年を重ねて老練してきたら、重松清のような中年のセンチメンタルストーリーを書くのかな?
楽しみです。

なんだか血が熱くなって、明日もガンバロー!と思える一冊でした。




 
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