ゼロの視点
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2003年01月13日(月) 魔性のオンナ

 幕末の日本と外国の関係をまとめて書いていくうちに、だんだんと面白くなってきた。というか、とうとうおかしくなって、笑いがとまらなくなってしまった。
 
 “ただ今、鎖国中ですので、そっとしておいてください”という看板を無視してまで、たびたび訪れる黒船連中。その姿はまるで、“今その気がないので誘わないでください”というオンナと、無理やりにでもモノにしようとしているオトコのやり取りみたいだ。

 “開国しろ”=“やらせろ”ってな感じ?

 ペリーは、相当日本を研究したうえで、大砲をバンバンと打ち鳴らし、黒鉛をあげながら日本へやってきた。彼は、日本に対しては激しい威嚇が一番効き目があると研究の末、決断をくだしたという。要するに、グダグダと口説くより、一発かましてしまえ、という作戦だ。

 事実上開国してからは、各国から大使がやってくる。ここでいう事実上開国という状況は、恐らく日本というオンナが、とりあえず自分の価値を再認識して、ちらりとパンツを見せ始めた、って感じだろうか。舞台の上ではストリップはするが、そこをおりたらやらせないわよ、という日本と、もしかしたらやらせてくれるかもしれない、と期待して色々と貢ぐ外国人たち。

 レオン・ロッシュの横須賀製鉄所にしても、または彼の異様な幕府支援にしても、彼の真の目的は、ナポレオン3世の植民地主義を徹底させることだったとしか思えない。その究極の目的、つまりは日本を発展させ、アジアで一番近代化した日本を、我がフランスの植民地にする・・・。

 なかなかダイレクトに口説けないオトコ。ゆえに色々とオンナに貢ぎ、オンナはそれでどんどん綺麗になっていく。しかし、いつもオトコの真の目的は“やらせろ”という、ま、リビドーに突き動かされたものだったりするのが世の常。

 しかし、オンナは二股をかける(オンナにとったら、二股をかけた意識すらないのだろうけれど)。イギリスのパークスだ。パークスは薩摩藩などの倒幕派を支援していく。パークスもたくさん貢ぎモノをしていく。そう日本というオンナを“落とす”ために。

 パークスとロッシュの間には、延々と続く英仏間のライバル感情。ヨーロッパではやり尽くしてしまったので、新たな市場で、ものに出来そうなオンナの数(つまりは植民地の数)を競っているかのようだ。

 ロッシュをはじめとする外国人の援助をもって、日本は近代化し、そしてパークスの後押しで、明治維新へと時代が転換する。それにしても日本というオンナは非常に教え甲斐がある。その吸収力の迅速さと正確さは、調教師であるオトコ達をますます燃えさせる。

 しかし、オンナは決して“あなたのモノになると言った覚えはないの”という態度をとり続けていく。この時点でこのストリップ嬢が脱いだのは、きっとトップだけなんだと思おう。

 “あと一枚剥がせばなんとかなる”、というオトコと、“この一枚には触れさせない”というオンナの、かけひき。

 それにしても、初代仏駐日大使ベルクールにしても、2代目のロッシュにしても、イギリスのそれと比べると、どこか間が抜けているところが、逆に人間臭くて、個人的には好きだ。これは私もオンナだからか?。

 大枚はたいて、知識も与えて、なんでもかんでもオンナにやってあげて、そのうち立場が逆転しちゃっている、オトコの姿を彷彿させる。いわゆる"pigeon"(日本語でいえばカモ)になりうる可能性もあるのだ。

 たくさん持っていたオンナ(植民地)を、今ではほとんど失っちゃったフランス様。

 ま、冗談は抜きにしても、このフランス人たちの計算していそうで、計算が徹底的にできない人柄と、なんだかんだいって人情に流されやすいところが妙に好感が持てた。一般化するつもりはないが、実際私が今まで住んできて、こういうフランス人たちには、数え切れないほど出会っていることは言うまでもない。

 軍から脱走して、榎本武楊らと"La République de Hakodate"を築くことに燃えてしまうフランス人・ブリュネなどの話は、もういわんや、である。“自由・平等・博愛”に燃えてしまうのね・・・・などと、皮肉ってみるが、在る意味感動してもいる私(笑)。

 とはいえ、まるでナポレオン3世の凋落を追うように、衰退する幕府側についていたレオン・ロッシュの選択が非常に興味深い。
 


 

 とうとう、金曜日の晩から風邪をひいてしまった。非常に腹立たしいっ!!。


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