ゼロの視点
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2003年01月21日(火) Louis de Funès

 久しぶりにテレビを見ながらの夕食。いわゆる夫婦での団欒が本日、一時的に復活。ザッピングしていたら、Louis de Funèsの映画をやっていたのでそのまま見つづけた。

 Louis de Funès出演のすべての映画での、彼のペルソナージュが、すべて姑の姿にダブってしまう私。彼の一挙手一投足が、姑のソレと同じであることを発見して以来、わが夫婦は彼の映画を“腹がよじれず”には決して観られない。

 本人は大真面目なのに、パニックになればなるほど、その慌てた姿が滑稽で、ジェスチャーがどんどん過剰になっていき、それでいて、意味不明に威張っていたりする。これがLouis de Funèsなのか、それとも姑なのか、混乱してくるほどだ。

 今は亡き、舅はほんとうに浮世知らずの芸術家タイプだった。現実的なことには一切関わりたくないという人間。静寂を愛し、思索に耽り・・・。そんな夫の両親達は、第二次世界大戦中のドイツ軍による占領下に出会っている。今のようにセックスが氾濫する世の中とは違い、ガチガチに保守的で、カトリックバリバリの世。

 姑は、未来の夫に出会ってから、結婚まで一度も身体を許していないのが自慢。その間、9年。付き合って4,5年目に初キスを許し、あとは、日中散歩したり、時には文通したりというカップルだったらしい。

 ま、夫の解釈だと、姑は9年間、未来の夫の鼻面ににんじんをぶら下げつづけてきたのだと・・・。結婚初夜の夢も膨らみ、ようやく“教会”で盛大に式をあげたふたりだった。

 その後、しばらくは夫婦でのんびり・・・、なんてたいした暇もなく姑が妊娠。舅はかわいいオンナのコの出現を待ち望んだが、結果はオトコ、それが私の夫だった。舅はガックリと肩を落とし、姑はガッツポーズをした様子が目に浮かぶ。そして、数年後、再び姑は妊娠し、舅は再びオンナのコの出現を祈るが、これまたオトコ。

 9年間、待ちに待ち望んだ結婚を果し、初夜を終え、気がついたら自分の妻がLouis de Funèsで、その長男までがプチLouis de Funèsだったという悪夢!!。二人のLouis de Funèsで、家の中は毎日ドタバタの連続で、おしゃまでかわいいオンナのコと、色々話したり、手をつないで歩いたりする舅の夢、それと静寂は一気に吹き飛んでしまった。

 9年間待ち望んだ“妻の胸”は、代わる代わる息子達に優先権があり、この闘いにも敗れ去っていく舅。

 とまあ、上記のことをLouis de Funèsの映画を観ながら夫に私が語ってみたら、どうやら彼のツボにはまってしまったらしく、窒息寸前になるまで笑っていた。

 今、もし舅がこの世にいるのなら、彼のオトコとしての人生の胸中を突撃インタビューしてみたいものだ。


・・・・・・しかし、だ・・・・・・。ま、私も舅のことを皮肉っている場合ではない。なぜなら、私も結婚相手がLouis de Funèsだったのだから(汗)。


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