ゼロの視点
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2003年02月04日(火) SDFのバーゲン

 よく買い物に行くスーパーの入口には、SDF(要するにホームレス)の仲間で10フラン(ユーロではいくらか知らんっ!!)の冊子を売って、生計を立てている女性がいる。フランス全土ではわからないが、パリにはこうやって日銭を稼いでいるSDFが多い。

 雨の日も、風の日も、雪の日も、猛暑の日も・・・・、という感じで毎日スーパーの閉店まで、売れるかどうかもしれない冊子を持って、入口に立っている彼女。

 私は、このスーパーに閉店時間ギリギリに出没するのが常。ゆえに限られた時間で買い物をしなければならないので、彼女のことなど構ってられないのが実情。しかし、こうもいつも顔を見ていると覚えてしまう。

 それじゃなくても、私は強烈な"physionomiste"(他人の顔をよく覚えている人)なので、たとえシチュエーションが変わっても、一度見た事ある人ならたいてい見分けられることが多い。

 この特質は、街中で会いたくない人とバッタリしそうになったら、私のほうが先に察知できるので、結果的にいやなご対面を回避できるという利点がある。

 さて、先週のことだ・・・。夕飯の買い物がてらに近所のブティックにフラフラと立ち寄ってみた。ムートンの毛皮のロングコートが半額になっていたのでそれを物色するためだ。

 店内に入ると、すでに私のお目当てのコートを試着している人がいる・・・・。ゲっ、と焦りながら近寄ってみると、なんとそれはいつもスーパーの入口に立っているSDFだった。SDFと私が同じ趣味っていうのにもちょっとビックリしたけれど、彼女がそのコートを購入できるだけの金を持っているということにもビックリした。

 彼女は店員と交渉していたが、よーく耳を澄まして会話を聞いてみると、彼女はどうやらフランス語がほとんど喋られないようだ。となると、東欧からやってきたSDFか?。きっと寒い日にも外に立っている彼女、ムートンの毛皮のロングコートでも着てないとやってられないと思ったのだろうか?。

 ということで、彼女が毎日売っている冊子の売上高を知りたくなったゼロでした。

 


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