ゼロの視点
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ロンドンは物価が高い。ゆえに、一ポンドも無駄に使いたいないと過度に考える傾向にある私達。なので、外出前には、必ずサンドイッチを作るのだが、これに妙にはまっている。マイブームだ。昨日の残り物を調子よく集めて、パンをフライパンで温め(モスバーガー方式)、チキンをはさむ。調味料も自分の好みで色々と加え、オリジナルサンドイッチの出来上がりっ!!。
M嬢はとうに学校へ行ってしまっている家での作業。ああ、すべてはM嬢の残り物のおかげであります。
本日のメインはテムズ川クルーズ。なぜなら、歩かず、のんびりと観光気分を味わえるから、という単純な理由。が、なかなか船着場が発見できないので、いきなりサンドイッチを食べ初めてみた。そう、わしらは観光客!!。予定の狂いもすべて旅の土産話という感じ。
特製サンドイッチは、今回も美味しかった。なぜもうひとつ作ってこなかったのだろう・・・・、と激しく悔やまれる。
M嬢から、クルーズでは色々な船の種類があるから、一番いい奴を選んで乗るといいよ、と忠告されていた私達。ようやく見つけた船着場で、チケットを購入して、あとは乗船するだけだった。きっとあの船だろうと、とある船を待ち遠しく見つめていると、係員から召集の声がかかった。
やった、とうとう乗船できるっ!!、と思い、今まで散々見つめてきた船のほうに自然と身体が動き出す。が・・・・・・、係員は今まで見向きもしなかった船のほうに、私達を案内するではないかっ!!。どういうことだ・・・?。
動揺と共に、しぶしぶ乗船。外で座ったまま、のんびりと景観を味わうためのクルーズだからこそ、金を払ったのに、この船は外には座席がない。船内は昭和40年代初頭の場末喫茶のようなテーブルと椅子が並んでいるだけ・・・・(汗)。その衝撃に、しばし無言の私達。
むなしく動き出した船の甲板で“立ったまま”景観をみていると、途中、貨物船とすれ違った。貨物船と、わしらの船のどこが違うのか?!?!?!、と思ってしまった。
お決まりのビックベンやウエストミンスター寺院などの周辺をウロツキ、トイレ目当てに、一番安そうな喫茶店に入る。こういったものを発見する才能にだけは恵まれている私達。思ったとおり安かった。紅茶一杯、0,70ポンド。どうせトイレに行くからいいやと思い、まず飲み物を飲んで、店主にトイレの場所を尋ねると、トイレはありませんとのつれない返事・・・・・・。
トイレがないと言われると、ますます膀胱に言われもないプレッシャーを感じるのが人の常。いそいでバスに飛び乗って、繁華街に向かう。車窓からトイレがありそうな大型店舗を見つけるや否や飛び降り、トイレに全力疾走。ああ、間に合った。
気分も膀胱も軽くなったところで、ふとM嬢の学校の近所まで来ていることに気付き、電話してみる。ちょうど彼女が休憩しているところだったので、そのまま待ち合わせて、これまた激安の中国人喫茶に行ってみた。M嬢の行きつけの喫茶店らしいが、菓子パンとコーヒーが美味い。
M嬢と別れて、ふたたび二人でブラブラとウインドーショッピングをしながら、あてもなく歩いていたが、とうとう疲れ果てたので、オックスフォードストリートからM嬢宅まで直通のバス73に乗る。
あとはバスにただ長いこと乗っていれば家ということから、二人であーだこーだと毒舌お喋り大会が自然発生。もう、これでもかというぐらい、ヒドイことばかりをベラベラと喋っていた。どーせ向こうにみえるアジア人も、きっと中国人だろうと思っていたら、バス降り際に互いに挨拶している言葉が、思いっきり日本人が喋る日本語だったのに気付き、ちょっと青ざめる私達。
I嬢が 「私達のヤバイ会話聞かれてなかったよね?!?!?!」と不安そうに聞いてくるので、ふと可笑しくなって下を向きながら爆笑していたら、プスっという音と共にバスのエンジンが完全に止まり、車内の電気も消えてしまった・・・・・・・・。
現時点で2階席に残されている人は、前方のアラブ人女性二人と、わしら二人、そして背後に誰かいそうだったので、ふと振り向くと、アジア人女性・・・。チラッと彼女が読んでいる本を覗いてみると、縦書き・・・・。ええっ、もしかして背後にもずうっと日本人が座ってたのか?!?!?!?!。
会話を全部、彼女に聞かれていたという軽いジャブと、バスが止まってしまったというジャブで、あたまがクラクラしてきて、意味不明に可笑しくなってきて笑うと、何故か前方のアラブ人女性もそれにつられて笑い出す。おもしろくなってきて、もう一度笑ってみると、やっぱり彼女らはわしらにつられて笑い出す。
ただ笑いあっていても意味がないなと、ふと冷静に思って、何が起こったんだ等質問しあってみるが、全然ラチがあかず・・・・。背後の日本人女性はそれらの会話に参加もせず、とはいえ情報を知りたいのか、耳をそばだてているのがよく判る。あんなに散々わしらの日本語会話を聞いていたのなら、参加してきてもよさそうなのに、きっとわしらのことが怖かったんだろうか?!?!?!。わからん・・・・。
私が先陣を切ってバスを降りると、みんなが着いてきた(笑)。運転手の所へ行って事情を聞いてみると、このバスはここで終わりだと、優しい口調で非常な答えを提示してきた。じゃ、どうすればいいのか?、と聞いているときに、73番と書いたバスがやってきた。ああ、これか?!?!?!、と疑問を持ちつつ行き先を読むと、Victoria Stationと書いてある。乗るか否かを逡巡しているうちに、無言の日本人女性はまるで“自分だけは助かってやる”というような意気込みで乗車していった。
少し歩いて、違う番号のバスでも家に帰れることを発見したので、それに乗ってみた。が、気がついたら、再び街中に向かっていることに気付き、慌てて降りる。無言の日本人女性もこの方向に乗っていったが、果たして彼女はどこまで行ってしまったのだろうか?。知りたいっ!!。わしらは幸いなことに乗ってすぐ気付いたので降りたが、そのバス停までは、彼女の姿はなかった・・・・・。
とうことで、やっぱり街中からM嬢の家までの道のりは長かったのであった・・・。
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